らくだい魔女と幼なじみの約束 〜私たち＆あたしたち、付き合ってますっ！2

貴方でいっぱいです。 ページ23

フウカside

　アリスと二人、部屋に戻ってくる。

フ「どわぁああああ…眠〜っ！」

　迷わずあたしはベットにダイブした。

　ふかふかのシーツと枕があたしを歓迎してる。

　一方のアリスは、と言うと

ア「ふふ、全力で走ってきたら疲れるよね〜。」

　苦笑いを零しつつ、あたしが寝そべったベッドに腰かけた。

　その時、クシャッと音がして手元を見つめた。

　(あ…プレゼント)

　手首に引っ掛かっているのは、ちょっとくたびれた手提げ袋。

　チトセにあげようと思って、まだあげてないプレゼントだった。

ア「どうする？折角買ったんだもん、あげないとね。」

フ「ん〜…でも、今あげよって気分になんないよぉ…。」

ア「だね〜…。」

　お互い深いため息を吐いて、肩を落とす。

　…でも何でこんな落ち込んでるんだろう。

　告白されたとしても…絶対チトセが振ってくれるって思ってるのに。


　―――いや、ホントにそうかな？


　『絶対』振ってくれる？


　そんな確信、本当はどこにもないんじゃない？



　…てか。

　(……重い…重すぎる…)

　きっと今のあたしの周りはどんより重たいオーラで溢れかえってる事だろう。

　いつの間にこんな重たい女に…。

　そんな事を頭で真剣に考えてると…次第に眠気が襲ってきた。

　あたしってこういう事考えると、すぐ眠くなるんだよなぁ〜…。

　瞼の重みが次第に増していって…白旗を上げたままあたしは睡魔に完全に負けてしまった。






　コレ、チトセにあげたら……貴方は何て言うだろうか。

―――――

アリスside

　うつ伏せになったままのフウカを隣に、私は一人黙々と考えていた。

　ちゃんと振るに決まってるし。

　そう頭で確信はするけど、心は落ち着かなくて騒がしかった。

　ギュッと握った右手首には…私が買ったプレゼント。

　『魔獣グミ』。

　でも本当はそれだけじゃない。

　魔獣グミの中にこっそり入れておいたものこそ…私が本当にあげたかったもの。

　(早まりすぎって思うかな)

　そう感じて、ちょっと悲しくなる。

　右手をゆっくり開いて……薬指に光る『ソレ』を見つめた。



ア「ねぇフウカ――」

　そう声を上げて、私は気付く。

　(寝てるし…)

　フウカには言っときたかったんだけどな。

　スヤスヤ夢の中のフウカを見て、私もフウカの隣に潜り込む。

　布団を深く被って…私も目を閉じた。







　ユウは、私がこんなにユウでいっぱいだって事…知らないんだろうな。

彼女たちはどこですか？→←どうやら行動しないと伝わらないようです。

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