好きな奴はただ一人です。 ページ21
チトセside
何の用で、ここに来た?
というか、何で俺たちが銀の城にいることが分かった?
(何がどーなってるんだ…)
銀の城から離れながら、そんな事を考えて頭を抱える。
と。
『あのね、チトセ君。し、正直なところを言ってほしいんだけど…。』
モジモジして顔を赤らめる彼女に…俺は続きを待つ。
顔を上げて見ていてもかわいそうなぐらいに顔を赤くしたエリカは、俺を見て口を開いた。
『付き合ってる子ってフウカちゃんなのっ?』
(…!?そう来たか…)
ストレートに聞いてきた彼女に…俺は何て答えればいいのか分からなくなる。
…こういう時はどう言おうか。
付き合ってる!って言ったら女子に絡まれそうだし、有名人になること間違いナシ。
かといって付き合ってない!って言ったら言ったで…こっちが罪悪感に包まれる。
(…しっかりしろ。ちょっと冷静な思考が出来なくなってるだけだ)
あはは、と笑顔を作って心の中で大きくため息を吐く。
視線を上げて、何気なく隣を見ると。
『あ、ごめん。俺、付き合ってる子いるし。』
『え、誰とっ?』
『アリス。』
『嘘っ!』
『!?』
『?チトセ君?』
エリカが不思議そうな顔をして俺の顔を覗き込んでくるけど、それより俺はこの『ユウ』の反応に驚きを隠せないでいた。
(…コイツ、堂々言いやがった…!)
まさかのエナが告白(多分)してすぐに…付き合ってます宣言をしたのだ。
しかも付き合ってる人の名前までバラしてしまうという…。
本人はバラしてほしくないって言いそうだけど。
驚きで俺は思わず釘付けになってしまう。
『あ〜んな可愛い彼女いるからさ。ゴメンなっ!』
そう言い切り、二ッと口角を上げるユウ。
(…眩しい。眩しすぎる…)
あんな事言われたらもう諦める他、ないだろう。
でも…。
真っ直ぐに断れるアイツが羨ましい。
それが俺には何故か、出来ない。
『チトセ君…ホント?』
瞳を涙で滲ませて、首をこてっと傾げるエリカ。
そんな彼女に俺はハッキリ言う事に。
『…あぁ…そうだね。』
…ハッキリ、とまでは行かなかったが。
確かに肯定した。
『そんな……私に出る幕はないのっ?』
エリカはそう言って俺の腕を掴んだ。
その腕をそっと離しながら俺は今度こそ言い切った。
『俺にはアイツしかいないから。』
そう。
俺が好きになれるのは、ただ一人だけだ。
どうやら行動しないと伝わらないようです。→←原因は何となく分かってます。
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爽(プロフ) - お久しぶりです爽です。お陰様で現在、7,507 hit頂いております。沢山の閲覧本当に嬉しいです!作者の至らない所ばかりで稚拙な部分も祟ると思いますが、これからもよろしくお願いします…! (2021年5月23日 21時) (レス) id: 82f3ba1a1a (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - 4,238hitありがとうございます!作者嬉しい限り、本当に涙です。これからもらく魔女愛を最大級に伝えてまいります今後もご贔屓の程宜しくお願い致します。 (2020年7月16日 17時) (レス) id: b0b3a08d76 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - アミさん» 嬉しいせんきゅうありがとう〜!!!!! (2020年7月6日 22時) (レス) id: b0b3a08d76 (このIDを非表示/違反報告)
アミ(プロフ) - ケイさん» もう面白すぎて何回も読み返してるよ〜! (2020年7月6日 22時) (レス) id: 86dee03899 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - ユキカさん» えぇそぉ?ありがと〜///((お前やないわ怒byアサヒ (2020年6月21日 17時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/
作成日時:2020年4月7日 12時