らくだい魔女と幼なじみの約束 〜私たち＆あたしたち、付き合ってますっ！2

私の＆あたしの彼氏はどこですか？ ページ15

フウカside

　商店街を後にして、ワガママで買ってもらったたい焼きを片手に食べ歩きしながら帰っていた。

　もちろんもう片方の手には…プレゼントをぶら下げて。

　(チトセはどんな顔するかなっ？)

　ちょっとの楽しみと期待とおっきな不安を抱えていると、アリスが口を開く。

ア「あれ…ってカイ君じゃない？」

　目線を追ったところには、カイが壁に寄りかかってぼーっと空を見つめていた。

　(城の外で何してんだろ)

　不思議な想いに浸っていると、カリンが隣で大きく手を振って

カ「カイく〜んっ！どーしたの〜？」

　その声に気付いたカイが目だけでこっちを見る。

か「いやぁ、皆さんお揃いで。たい焼き片手とか…まんま誰かさんの趣味が現れてるね。」

フ「ちょっとそれ、どーいう意味よ。」

　カイの言った『誰かさん』がまさしくあたしに向けられてることに気付いてジロッとカイを睨んだ。

　相変わらずカイはのらりくらり(こっちも腹立つぐらいに)ゆっくりと寄ってくると手をヒラヒラさせた。

か「なぁに、ちー君とユウなら今ここいないよ。」

フ／ア「はっ？」

　驚きの言葉に目を見張りカイに詰め寄った。

フ「じゃあどこにいるってのさ！？」

ア「いつ帰ってくるのよっ！？」

か「あ〜うるせぇ、ちょっと黙れ。」

　「「無理っ！」」

　息を合わせたつもりはないけど、アリスと声が重なる。

　見事な合わさりようにカイの顔も珍しく引きつった。

　そしてわざとらしくため息を吐いて、頭をポリポリと掻いた。

か「…フウカたちには言わないでって言われたんだけどなぁ〜…。」

フ「はぁっ？ますます気になるじゃんっ！」

ア「まさか隠れて他の女の子とつるんでるのっ！？」

　アリスのその言葉にあたしはパニック、カイは「はぁ？」とこっちが聞いてるのに聞き返してきた。

　(チトセはモテるからかわいい子に寄りつかれるのも分からなくもないけどっ！いくらそうでも『あたし』を忘れてないでしょーねっ！？)

　一人で考えて悩んでうずくまって…と言う感じになってると。


か「半分違って…半分当たってる？」


　疑問形でそう返してくるカイに本気であたしは胸が苦しくなった。

　あぁもう、何なんだこれは。

　モヤモヤして苦しくって、そんな自分がすごく嫌い。

　…でも、次にカイの口から出てきた言葉は予想とは違ったものだった。





　「な〜んか二人とも呼び出し食らったんだよね〜…エリカとかいうヤツとエナとかいうヤツにさ。」

内容は大体分かります…。→←プレゼントは完璧に…！

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