らくだい魔女と幼なじみの約束 × 一人一人の隣 (ページ5)

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●テストでの出来事と画伯の落書き。ページ5

フウカside

　やっ…てしまった。

　今日も一つ、ため息を吐きながら肩を落とす。

　今は太陽も嬉しい午後二時。

　…授業の真っ只中。

　本当なら呑気にそんなこと考えてないで、真面目に授業を受けるべきなんだろうけど。

　今のあたしにそんな漲る元気は出てこない。

　なぜならば。

　『また、失敗してしまった』から。

　まぁ…今回はルイちゃんに助けられたけどさ！

　教科書を立てて、数式を話している先生に見つからないように瞼を閉じる。

　(魔力のコントロール…ったって無理なモノは無理なんだし…)

　大体、毎度毎度先生もあたしが失敗するの分かってるんだからさぁ。もっとコツとか教えてくれたらいーじゃん！

　…でも今回はかなり全力を出した気がする。

　確かにテストだし、今日くらい真面目にやらないとって思ってた。

　なんだけど。

　(今日はいつもに増して、力使った気がするなぁ～)

　あたし自身、あんまりそーゆーの気にしてなかったんだけど…久しぶりに思いっきりやったような…。

　(まぁいいや。考えててもよく分かんないし。どーせ失敗したし)

　止めていた手をまた動かして…スラスラとペンを動かしていく。

　…もちろん勉強なんかじゃなくて、机に描いているこの『落書き』の為に。

フ「ウサギさんが一匹…リスさん二匹…ん～何描こっかなぁ。」

　下手くそな『フウカ画伯』の描く落書きを施していた、ところ。

　「…ミス、フウカ？」

　うっわヤバい、先生じゃーんっ！

フ「ハイっ！何ですかっ！？」

　ドッキーンッと異常に心臓が跳ね上がって、焦ったあたしは驚いて席を立ってしまう。

　ガタンっ！

　シンと静まったクラス全員の視線を浴びた、あたしのこの時の恥ずかしさと来たら。

　先生は冷ややかな目で真っ赤になったあたしを見て、重くため息を零した。

　「どうかしたのですか？」

フ「いえっ？全然問題ありません！」

　何度も頷いていると、ドッと歓声の沸くクラス。

　アリサちゃんなんて机バンバン叩いて大笑い。

　アリスもクックと笑いを零して、目に涙を溜めてる。

　こんな時にこそ、ルイちゃんがいてくれたらいいのに、今はいないし。

　「もっと集中して授業に専念するように。いいですね？」

フ「はぁい…」

　…テストでは失敗して、その上授業では恥さらし。

　(ホント、何でこんなあたしってついてないのよ～～～っ！)

　心の中、ストレス発散の為大きな声でそう叫んだ。