阿部ちゃんはお疲れモードです*2* (ページ8)

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深澤side

阿部「..ふっか..つかれちゃった、おれ、」

小さくそう呟いた阿部ちゃんは俺の腕の中で少し震えていた。

幼児退行してるとはいえ、阿部ちゃんが弱音を吐くイメージがない俺は、

とても驚いたと同時にそれだけ追い詰められていたのか、と察する。

　
阿部「おしごと、さいきんね、うまく..いかなくてね..」

「ちょっと、つかれちゃって、」

「..それで、きのう個人練のときにね、振り付け師さんにもおこられちゃったの..」

『..なんで..』

「..ちゃんとやれって..」

『っ、そんな..』

どんなときも一生懸命な阿部ちゃん。だから、練習だとしても、個人だとしても、

絶対に手なんて抜かない。なのに、そんな..

阿部「おれ..がんばって、ない..？ちゃんと、してない..？」

「..もう、やだ..」

『っ、あべちゃん..！』

俺はそう名前を呼んだ瞬間、阿部ちゃんを抱き締める腕の力を強くした。

『あべちゃん、頑張ってるよ。いっぱい。十分すぎるくらい。』

『..だから、大丈夫。..休んでもいいんだよ。俺達はあべちゃんが頑張ってるの知ってるから。』

阿部「..っ..ふっかぁ..泣」

『うんうん、大丈夫だよ。』

阿部ちゃんは俺の腕の中で泣き続けた。

しばらくして、うとうとしてきた阿部ちゃんの背中をぽんぽんとたたいていると、

泣きつかれた阿部ちゃんは再び眠りについた。