溶けるほど愛されて、【紫】 (ページ1)

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『あーーーー！！ダメだ全然取れない！』

｢もう、A諦めなよ～｣

私はあの日、友達と一緒にゲームセンターに来ていた。

『でもでも、お兄ちゃんこのフィギュア超～～欲しがってて、、』

｢でも今何回目！？｣

『えーっと、、30？』

買った方が早いじゃんーー！！！って、友達には言われちゃって。

いや、そうなんだけど、私のお兄ちゃんが言ってた情報だと、すごく良くできててレアだからまだ売られてる数も少ないみたいで…

UFOキャッチャーでとるしかないじゃん！？

『うわー、難しいよこんなの～、、』

あと5回やって取れなかったら諦めようかな、なんて思い始めてたら

｢あの｣

突然、背が高くて深く帽子をかぶって顔の見えない怪しいお兄さんが話しかけてきたので

体がビクッと驚いて反応してしまった。

｢よかったらそれ、俺がとりましょうか？｣

『え、はい！！！』

なんだか怖いから、返事をしてしまって

このお兄さん大丈夫かな！？怪しすぎない！？と、友達と目でおしゃべり。

｢あ、｣

ドサッ

｢取れました、どうぞ！｣

『え！？』

友達と怪しんでる間に1発でゲットしていてそれにまた驚く。

何、このお兄さん！？！？強すぎない！！！？天才すぎ！！！！

『ありがとうございます！なにかお礼…』

｢いやいや、大丈夫です｣
『いえ、そこはちゃんとしないと、！』

ほんとに大丈夫ですから！ってお兄さんが手を顔の前で振るけど
手が帽子にあたってお兄さんの被っていた帽子が落ちた。

『落ちましたよ』
ちょうど私の足元に落ちたから、拾って顔を上げてみると
お兄さんの顔は、とっても見た事のあるお顔で。

『あ、え、ふっか…さん…？』

｢ちがいます｣

『何言ってるんですか、SnowManの深澤辰哉くんじゃないですか』

違いますって、私の事騙せると思ってんのか。

『いつもお兄ちゃんがお世話になってます。私、佐久間大介の妹なんですけど』

｢へ、は！？！？｣

…まあ、うちらはそんな出会い方