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観念したように振り向くと、驚きで目を丸くする彼女と目が合った。
涙で濡れた大きな瞳に、思わず吸い込まれそうになる。
「あ、…やだ。私ったら…あの、ごめんなさい…」
もう見まいと思っていたのは、見てしまったらどうにかなってしまいそうだったから。
彼女を前にして、自分が自分じゃなくなってしまいそうだったから。
「Aさん…」
彼女の頬を伝う涙をそっと拭う。
見ないと決めたのに。触れないと決めたのに。
大切な京介の彼女、なのに。
どうしてここまで惹き込まれてしまうのだろうか。
「優一さん…ですよね、あはは…ずっとお会いしたかったんですけど…初対面がこんな形になってしまって、ごめんなさい」
その震えた声に、甘い香りに、濡れた睫毛に、赤らめた顔に。
保ち続けていた理性が、とうとうぷつりと切れてしまった。
「…っ！ゆ、優一さん…！？」
気がつけば、彼女の小さな肩を自身の腕の中に閉じ込めていた。
触れたいと感じていた肌と温度を直に感じて、
「優一さん…！」
さっきまで京介の名を呼んでいた口が、今や俺の名前をなぞっていることに心地良さまでもを感じて。
「君が、悪いんだよ」
なんて、彼女のせいにした。
「優一さん…」
ぽつりと、背中越しに弱々しく声がかかったのを最後に、彼女はもう俺の名を口にしなかった。
静かな空間に、カチカチと秒針の進む音だけが響く。
すると遠くで、シャワーの音が止まった。
京介がそろそろ風呂から上がってくるらしい。
…ほら、京介が戻ってくるよ。
嫌なら、抵抗すればいいのに。
君は、京介の彼女なんでしょ？
ふつふつと湧き上がる京介に対しての罪悪感に、半分名残惜しい気持ちを抱えながらも彼女を解放しようとしたその時だった。
「京介は、こんな風に優しく私を抱きしめたりしなかった」
「え…？」
「京介が、優一さんだったらいいのに…」
その言葉に、耳を疑った。
返す言葉に詰まらせる俺に、彼女は話を続ける。
「私、誰にも愛されてこなかったんです。無条件に愛をくれるはずの両親にさえ」
「……」
「だから、京介に好きだって言ってもらえた時は本当に嬉しかった。私を愛してくれる人がいるんだって感じたんです」
「…京介は、君のことを大事にしたい子なんだって言っていたよ」
「…はい。でも私は馬鹿だから、そんな京介の思いに今まで気がつかなかった」
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櫻田海桜 - また、更新再開してほしいです。 (2023年4月10日 14時) (
レス) @page19 id: 00142467d6 (このIDを非表示/違反報告)
風神ノ舞(プロフ) - お久しぶりです。って言っても覚えてなくて当然ですが、恋ふぶきで神童君をリクした元風丸渚です。リク大丈夫でしょうか？天馬君や竹見君の後で構いませんが、雪村君お願いできますでしょうか？ (2019年5月1日 17時) (レス) id: 02f1e78801 (このIDを非表示/違反報告)
みんと(プロフ) - 名前変更したのですが、すいです。お返事ありがとうございます！メインキャラでは無いのですが、竹見幸助くんなどは大丈夫でしょうか？難しいようでしたら断っていただいても構いません...！ (2019年5月1日 9時) (レス) id: 2701b73a88 (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - すいさん» いつも読んで頂きありがとうございます！！はい！リクエスト承っておりますよーっ！ (2019年5月1日 7時) (レス) id: 40379c818e (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - はじめまして、彼方さんの小説いつも楽しみにしております。突然ですみませんが、リクエストなどは大丈夫でしょうか？ (2019年5月1日 5時) (レス) id: 2701b73a88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 | 作成日時：2019年4月30日 14時
