05ｰ2 ページ10
そんな大量の情報が一度に入ってくるから。
私が今、キャプテンに抱きしめられてることを実感するまでには時間がかかった。
「えっ、と...キャプテン？」
「悲しいことでもあったの」
「悲しい、こと？」
「キャプテンとして、いや、俺自身、君の悲しみごと包んであげたいんだ」
落ち着いた？
そう言ってキャプテンは、私の背中を軽くぽんぽんと叩いて、私の正面へと座り直した。
キャプテンの身体と私の身体の間に隙ができる。
でも、私の身体の全部はまだ熱を帯びたままだった。
「話していいものなのかな」
「どうして？」
「キャプテンからしたら小さなことだもん、変だって思うよ」
「俺は、Aの全てを受け止める覚悟があるよ」
そこまで言われたら、話さない訳にはいかなくなったようだ。
ぐっと腹を括って、私はどこから話そうかと模索したけれど、そんな頭がないから、思いつくまま言葉を紡ぐ。
「普通は、私がマネージャーとして、選手を支えてあげる役目なのに、....逆に心配かけちゃってて。仕事も上手くできた試しがないし、いつも監督やキャプテン達の迷惑をかけてばっかり」
そう言葉にすることで余計に虚しさを感じた。
「さっきだって、吉良くんの必殺シュート、能力を記録しようと思ってたのに眠っちゃってて.......ダメダメだ。やっぱり私、チームのお荷物だし、"出来損ない"なんだ...」
ぐっと目頭が熱くなる。
そして1粒、2粒と、堰を切ったように涙が溢れて、ぽたぽたと、ジャージにシミを作る。
あーあ。
この永世学園のジャージ、すごくお気に入りなのに。
こんな汚い涙で濡らしちゃって。
濡れた顔をタツヤくんに向けられなくて、足元に視線を落とす。
「誰が、迷惑だなんて言った？」
「え……」
でも、タツヤくんは、泣いてボロボロになっている私とは反対だった。
キラキラと眩しく、でも優しさを帯びた表情で、私に向かって微笑んでいた。
「俺が君をマネージャーに選んだのはね」
タツヤくんが、両手で私の両頬を挟んで半ば強引に正面を向かせた。
だから、必然的にタツヤくんと目が合う。
エメラルド調の透き通った瞳に吸い込まれそうになる。
綺麗だな、と思った。
「Aが、好きだからだよ」
こつん、と。
タツヤくんと、私の額が触れた。
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Setsuki.(プロフ) - 風丸の話の時に彗星ガールズの歌詞の一部があって感動しました！← (2019年3月28日 21時) (
レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
Zero - 彼方さん» 有難うございます(感涙)！ (2019年3月17日 10時) (レス) id: fec557507a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - Zeroさん» リクエストありがとうございます！話数の関係でもしかしたら次の小説に移動しちゃいますがまたその都度更新させていただきますね(*´`) (2019年3月16日 19時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
Zero - リクエストお願いします!!難しいと思いますけど､不動さんって書けますか?無理だったら全然良いです!! (2019年3月16日 15時) (レス) id: fec557507a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - 妄想乙娘さん» 全て読んでいただけたんですね！(；＿；)とても嬉しいです！これからも頑張ります！ありがとうございます(〃´-`〃) (2019年3月12日 21時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 | 作成日時：2019年3月4日 8時
