05ｰ1 出来損ないと貴公子【基山タツヤ】 ページ9
永世学園サッカー部のマネージャーになってはや半年。
「おいA！見てたか！？今の俺の必殺シュート！」
「....はっ。.......ええっと.......！うん！かっこよかったよ！その調子！」
うたた寝してて見てませんでしたなんて口が裂けても言えない.......！
ましてや相手は不良くん、じゃなくて吉良くん.......！
咄嗟に、いつも色んな選手に投げかけているテンプレの褒め言葉を並べて私は返事をした。
「ザ・エグザミネーション、だっけ？今までにない強烈なシュートだったよ！これは次の試合期待できそうね！」
「エクスプロージョンだよバーカ」
「うっ.......」
そして、自ら墓穴を掘るスタイル。
もういいや。私がこんなに"出来損ない"なのは今に始まったことじゃないし。開き直ろう。
がくりと肩を落として、タオルと保冷剤と、あと何がいるんだっけ忘れた。
それらを取りに部室へ足を進める。
重い部室のドアを開くと、そこにはキャプテンの基山タツヤくんが今まさに着替えの真っ最中だった。
「あああキャプテン！ごめんなさい！ノックもなしに.......誰もいないかと思い込んじゃって、えっとその！見てないです！私なんにも！でも身体付きやっぱり男の子だなっていうか、うちのお兄ちゃんなんかより十分鍛え上げられててかっこいいし、さすがキャプテンだなって惚れ惚れします。ゴメンナサイ」
一体何が言いたかったのか、私でもわからない。
そして、こんなに舌を回したのが久々過ぎて口が疲れた。
口が疲れたって何なんだろう。
で、私は何しに来たんだっけ？
何事も起こらなかったかのように、そそくさと開けた部室のドアを徐に閉めようとすると、
「……！？」
ガシッ！と。
ドアノブを握る私の手首を、彼の手が掴んだ。
「もうちょっと、ここにいよう」
そう言って半ば強引に私を部室に引き入れては、座りなよと、隣の座席をぽんぽんと叩いて、座るよう促される。
言われるがままその隣に座る。
シャワーでも浴びてきたのか、男の子から漂っているとは思えない、ふんわりと優しいシャンプーの香りが私の鼻をつつく。
視覚に聴覚に嗅覚に触覚に。
感覚の中の感覚が全部キャプテンに占領されていて、体の中心から熱くなっていってるのがわかる。
キャプテンは突然そんな私に、腕を回してきたかと思えば、
ーー突然視界が真っ暗になった。
直に鼻を刺激してくるシャンプーの香り。
顔に硬い、板のような感触。
…何が起こった？
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Setsuki.(プロフ) - 風丸の話の時に彗星ガールズの歌詞の一部があって感動しました！← (2019年3月28日 21時) (
レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
Zero - 彼方さん» 有難うございます(感涙)！ (2019年3月17日 10時) (レス) id: fec557507a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - Zeroさん» リクエストありがとうございます！話数の関係でもしかしたら次の小説に移動しちゃいますがまたその都度更新させていただきますね(*´`) (2019年3月16日 19時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
Zero - リクエストお願いします!!難しいと思いますけど､不動さんって書けますか?無理だったら全然良いです!! (2019年3月16日 15時) (レス) id: fec557507a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - 妄想乙娘さん» 全て読んでいただけたんですね！(；＿；)とても嬉しいです！これからも頑張ります！ありがとうございます(〃´-`〃) (2019年3月12日 21時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 | 作成日時：2019年3月4日 8時
