03ｰ1 雨のち晴れ【氷浦貴利名】 ページ6
ザーザーと降り頻る大雨と、ピカリ！と照明が何度か点滅したかと思えば、たちまちドシャン！！！と大きな雷鳴。
それらが私の今居る、雷門中の廊下中に響き渡る。
「.......はぁ」
困った。
無理にでもかわして帰ればよかった。
何従順に「はい！」だなんて、貼り付けたような無理やり笑顔なんて振りまいて、
こんな明日にでも、ましてや私じゃなくても出来るような仕事を呑んでしまったんだろう。
私は担任にクラス委員だから、っていう肩書きを利用されて、教室中に貼られている掲示物を全て剥がすという雑用の中の雑用を押し付けられていたのだ。
もう1人のクラス委員は確か、部活がある！とかほざいてHRが終わったあとさっさと教室を後にしてたし。
そして、雑用が終わったかと思えば、追い打ちをかけるかのようにこの天候。
....空め、泣きたいのはこっちなんだけど？
周りの生徒はすっかり誰もいない。
昼は今のこの天気と真反対の明るさで、わあわあと生徒の騒ぎ声が飛び交う場所なのに、なんだか変な感じ。
暗くて静寂な廊下が、外の眩しく大音量の雷をより一層際立たせる。
ーーーなんだか、いつも私ばっかり上手く使われているような。
特別背が高いわけじゃないから、上の方に貼られてた掲示物なんて剥がすのに他の倍は苦労したし。
おまけにこの天気の中帰らされるだなんて。
あ、ついでに傘ないし。
本当にツイてない。
もういいや。この際、どうにでもなれ！
生身のまま強く打ちひしがれる雨の中に飛び込もうとしたその時だった。
「.......A？」
誰も居ないはずの廊下から、確かに私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
大きな雨音に混じって、轟く雷鳴に紛れて、
でも、その声はやけにクリアに聞こえた。
その声は.......
「え、氷浦...くん？」
「....よっ、こんな所で何してるんだ？」
よ、じゃなくて。
何してるんだはこっちの台詞で。
何故氷浦くんはここにいるの？
部活あるとか言ってクラスメイトの誰よりも早く教室抜け出したのはどこのどいつだ？
ぱちぱちと瞬きが止まらない。
驚いたのは向こうも同じようで、私達は2人して目をぱちぱちとしている。
…どういうこと？
氷浦くん、残ってたなら言ってくれたら良かったのに。
そしたら、私ひとりでこんな無駄作業する手間が省けただろうに。
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Setsuki.(プロフ) - 風丸の話の時に彗星ガールズの歌詞の一部があって感動しました！← (2019年3月28日 21時) (
レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
Zero - 彼方さん» 有難うございます(感涙)！ (2019年3月17日 10時) (レス) id: fec557507a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - Zeroさん» リクエストありがとうございます！話数の関係でもしかしたら次の小説に移動しちゃいますがまたその都度更新させていただきますね(*´`) (2019年3月16日 19時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
Zero - リクエストお願いします!!難しいと思いますけど､不動さんって書けますか?無理だったら全然良いです!! (2019年3月16日 15時) (レス) id: fec557507a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - 妄想乙娘さん» 全て読んでいただけたんですね！(；＿；)とても嬉しいです！これからも頑張ります！ありがとうございます(〃´-`〃) (2019年3月12日 21時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 | 作成日時：2019年3月4日 8時
