21ｰ1 純情メソッド【鬼道有人】 ページ47
「わああ…！」
私はいま、朝の鬼道家にお邪魔している。
目の前で星章学園のブレザーを着こなす彼に目を奪われた。
帝国学園にいた頃の軍服のような制服もかっこよかったし、雷門中学にいた頃の学ランも様になっていた。
結果、鬼道有人は何を着てもかっこいい。
「そんなにジロジロ見るな」
「だって…！」
かっこいいんだもん！
写真に収めようとそろりとカバンからスマホを取り出そうとすると、有人にそれを制された。
ちっ、と軽く一瞥して、仕方なく写真を撮るのを断念する。
「今日から、星章学園にサッカーの強化委員として通うんだっけ？」
「ああ」
去年、雷門中のサッカー部としてFFでの優勝を勝ち取った後、メンバーそれぞれが強化委員として各中学校へ配属されることになった。
今私の視線の先でネクタイを整えている有人は、ランキング1位の星章学園。
ある人はまたまたサッカー強豪校の帝国学園。
ある人は海外へ。
この強化委員制度は、それぞれ配属された中学校のサッカー部がより強くなる他、強化委員自身のスキルアップや学びにも繋がるだろうと思う。
皆がまた集ったその時は、退っ引きならない強さを誇ることとなるだろう。
まあ、ここまで聞いたらメリットしかないんだけれど。
もちろんデメリットだってある。
私が特に引っかかっている重要なものとして、また皆がひとつのフィールドに肩を並べる時が果たしてくるのだろうか、ということ。
…私には分からない。
有人だって、ずっと星章学園にいるかもしれない。
また私と同じ雷門中の制服を着て、一緒に登校出来ないのかもしれない。
そう考えると、笑顔で星章学園へ送り出せる自信がなかった。
一時期、有人と同じ制服が着れて喜んでいた、雷門の制服の胸元のリボンが寂しく揺れた。
「最近、浮かない顔ばかりしているな。Aは」
「…そっ、そんなことないよ！」
指摘され、ハッと我に返ってすぐさま有人に向かって笑顔を貼り付けた。
「不安なのか？俺が星章に行くことが」
言い当てられて、ドキッと胸が弾んだ。
「星章学園って、頭いい人いっぱいだし、それこそ有人の好みのタイプの女の子だってたくさんいると思うし…」
自分でも結局何が言いたいかは分からなかった。
しどろもどろな私の言葉を聞いて、彼は吹き出した。
ゴーグルの下の瞳が優しく細められる。
「気にするな」
と、彼は私の頭を撫でた。
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Setsuki.(プロフ) - 風丸の話の時に彗星ガールズの歌詞の一部があって感動しました！← (2019年3月28日 21時) (
レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
Zero - 彼方さん» 有難うございます(感涙)！ (2019年3月17日 10時) (レス) id: fec557507a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - Zeroさん» リクエストありがとうございます！話数の関係でもしかしたら次の小説に移動しちゃいますがまたその都度更新させていただきますね(*´`) (2019年3月16日 19時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
Zero - リクエストお願いします!!難しいと思いますけど､不動さんって書けますか?無理だったら全然良いです!! (2019年3月16日 15時) (レス) id: fec557507a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - 妄想乙娘さん» 全て読んでいただけたんですね！(；＿；)とても嬉しいです！これからも頑張ります！ありがとうございます(〃´-`〃) (2019年3月12日 21時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 | 作成日時：2019年3月4日 8時
