20ｰ1 Happy Whiteday!【基山タツヤ】 ページ45
練習終わり、
夕日が静かにその身を隠し始める頃。
私たちイナズマジャパンのマネージャーは、練習後の仕事が特に大変で、日替わりで分担を行ってやりくりしている。
今日はつくしちゃんが洗濯物の取り込み、杏奈ちゃんが一足先にヨネさんと秋さんの夕飯作りのお手伝いに回っている。
私はというと、練習後に使ったボールやコーンなどの物品を倉庫に戻しているところだ。
練習を終えて疲れ切った選手達は全員、宿舎にぞろぞろと戻って行ったから外には私一人。
あんなに騒がしかったグラウンドが静かになって、沈む夕日を一人じっと眺め見届けるこの時間が、私は好きだ。
そんな時、
「Aちゃん！」
名前を呼ばれ、振り返ると何やら大きな紙袋を下げて私の元へ駆け寄る私の想い人がいた
「タツヤ！どうしたの？忘れ物？」
「ううん、これ…」
その紙袋を私に差し出すと、彼は優しく微笑んだ。
「今日、ホワイトデーでしょ？」
「え？あ…」
忙しくて全然時計やらカレンダーやら見る習慣つけてなかったから気が付かなかったけど、今日は3月14日だったのか。
「Aちゃんがバレンタインデーにくれたチョコレート、とっても美味しかったよ」
「そんな、あんなの…大したことないよ。
それより、忙しかったのに私のために買いに行ってくれたんだね…嬉しい…！」
「開けてみて」
タツヤは傍らにあったベンチに腰をおろして、その隣をぽんと叩いて、私に座ってと促す。
お言葉に甘えて隣にくっついて座ると、彼は嬉しそうにはにかんだ。
彼が宿舎に戻って行ったのは、一旦この紙袋を取りに行ってたからか。
紙袋を開けると、見るからに美味しそうなミルフィーユのお菓子と1つの小さな箱が入っていた。
その箱を徐に開けると、ブレスレットが姿を現した。その中央には一粒の小さなジュエルが埋め込まれていて、一際大きな輝きを放っている。
「綺麗…！」
そのあまりの美しさに思わず息を呑む。
「ふふ。これね、俺とお揃いなんだよ」
箱から顔を上げると、ひらひらと手を振るタツヤの手首に、私の貰ったブレスレットと色違いのものが輝いているのが見えた。
「嘘…嬉しい…」
嬉し過ぎて、じわりと浮かぶ涙で視界が滲む。
「大袈裟だよ、A」
そんな私の涙をタツヤは指でそっと拭ってくれた。
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Setsuki.(プロフ) - 風丸の話の時に彗星ガールズの歌詞の一部があって感動しました！← (2019年3月28日 21時) (
レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
Zero - 彼方さん» 有難うございます(感涙)！ (2019年3月17日 10時) (レス) id: fec557507a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - Zeroさん» リクエストありがとうございます！話数の関係でもしかしたら次の小説に移動しちゃいますがまたその都度更新させていただきますね(*´`) (2019年3月16日 19時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
Zero - リクエストお願いします!!難しいと思いますけど､不動さんって書けますか?無理だったら全然良いです!! (2019年3月16日 15時) (レス) id: fec557507a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - 妄想乙娘さん» 全て読んでいただけたんですね！(；＿；)とても嬉しいです！これからも頑張ります！ありがとうございます(〃´-`〃) (2019年3月12日 21時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 | 作成日時：2019年3月4日 8時
