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「早急に、息子を返していただきたい
 息子を音楽祭に出すなど・・・言語道断である」

「ご子息から聞いたので?」

「否、我々は隠の者・・・秘密を探るなど造作もない
 元々貴校に息子を預けているのは・・・隠密としての腕を磨かせるため
 前に出されてしまっては、通わせているイミがない」

「本校は常に生徒の能力と精神を向上させる最善の教育ができるように努めています
 今回の一件もご子息の音楽の才能と自主性を重んじたゆえ・・・」

「自主性?我らに個の考えなど必要ない
 そんなぬるい(・・・)教育をしているのか・・・
 貴校では息子は絶対に成長できぬな」

「・・・それはつまり・・・本校の教育方針に異を唱えると?」

一方的な言葉にケルベロスが出現し、教師陣が慌てて離れる。
ダリはいつもの笑みを浮かべ、カルエゴの肩を叩き電話を取り上げる。

「・・・失礼、本校は生徒の欲を第一としておりますので!
 本人の同意なしに手続きは取れませんよ」

「・・・ならばソイを呼べ
 自主退学だ、明日にでも家へ帰らせる」



「・・・以上、都合によりプルソン・ソイは退学のため準備中だ」

「そんな!!・・・プルソンくんは・・・なんて?」

「”いいんです”と、まあ実際・・・プルソンが抜けたことで課題のハードルは下がった
 貴様らにとってはラッキーだろう」

「そっ・・・そりゃ位階だけ見りゃそうだけど!!違うじゃん!!
 ここまで来て、そんなんっ・・・悔しい・・・じゃん・・・」

「・・・とにかく、プルソンが抜けたからといって
 貴様らまでふぬけている場合ではない
 音楽祭まであと5日
 私も貴様らの練習ばかりに構ってられん・・・何ぶん今は多忙なのだ
 音楽祭の準備と貴様らの指導に加えて・・・行方不明(・・・・)のプルソンを捜さねばならんのだから」

「・・・え?行方・・・不明?」

「ご実家の方からも”ソイはどこだ”と散々、聞かれていてな
 息子が隠れ上手なのは、むしろ喜ぶべきだろうに」

淡々と話していたカルエゴが愉しそうに口角を上げる。

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E(プロフ) - skyさん» ありがとうございます!修正致しました (2月26日 13時) (レス) id: 1ae39ecc80 (このIDを非表示/違反報告)
sky - アロケルとアガレス逆になってますよー。このシリーズ面白いし更新速度すごくて尊敬してます。適度に頑張ってください! (2月26日 9時) (レス) @page45 id: 6731466818 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:E | 作成日時:2024年2月17日 20時

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