欲深いのは悪魔か人間か ８

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２番信仰
　
”２”という数字を愛し、讃える魔界の宗教
その実体は闇に包まれ、存在を証明する記録もないが
噂はまことしやかにささやかれている

「あいつだろ？２番を信仰してる家系の・・・」
「なんだよソレ気持ち悪い・・・」
「入試次席！」
「あらゆる試験で２位を総ナメ！」
「でもさ、実質３位じゃね？だって・・・」

また・・・２位だった！
１位が良かった！！

「わざと２位になってるんだって」
「”２”を愛してるんだな・・・ひぇ〜」
「あれが２番信仰・・・必ず２位になる家系・・・か」

知らん知らん！！なんだその家系は気持ち悪い！！
オロバス家は常にまっすぐ！！
実質剛健たる家系だ！！２位はたまたま！！なぜか常に２位をとってしまっているだけなのだ！！
ってか、入試は次席だが実質３位だったぞ！？

「問題児クラスの・・・Aちゃんとアロケルがまた１位だ！」
「わ〜・・・あれ？そしたらオロバス君って３位！？え・・・大問題じゃない！！」

何故だ、何故３位が問題なのだ？

いや、目立つ要素がないから誤解をされているのだ！
収穫祭！！収穫祭で優勝すればきっと・・・

私の家系能力は”幻燈(ﾄﾗｳﾏ)”
木々のざわめきも、小石一つさえ心を蝕む・・・幻覚となる
強いショックを与えたり、強い意志で拒まなければ延々と苦しみを味わう
恐ろしい精神系の魔術だ
収穫祭ではこの力に頼らず・・・正々堂々１位になろう！！
そうすればきっと皆の脅えも誤解も解けるはず！！

”大丈夫ですよぉ〜オロバス様はオチョの言う通りに進めば２番に返り咲く事も、優勝する事も可能です・・・貴方は間違っていない”

『私に幻燈がかかるわけないでしょう？現状(今)が、悪夢そのものなのに・・・ソレは誰？』

甘言に呑まれていたオロバスが意識を取り戻した瞬間だった。

”七光りの高位階(ハイランク)だとばかり・・・１年で、なんと恐ろしい意志を持っていやがるッ・・・オロバス様撤退です！！”

「彼女が七光り？お前・・・どのクラスだ？バビルス在校生(・・・)ではないなッ」

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