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「本当は彼も呼びたかったのだが、先にキミから話をきこうと思ってね」
『元に戻ったんだし、解決でいいじゃないですか』
Aがシネルから取り上げた香水をアンリの前に置く。
「ほう、コレが原因だったとは・・・」
Aの横に座ったアメリが興味深そうに手を伸ばし、アンリに素早く奪われる。
「コレは我々でも分析して回復薬の開発と並行しよう。
学生の発想とはいえ、類似の事件が起きないとも限らないからね」
アンリが取り繕う様にコホンと咳払いをする。
『個人的には魔関署局長に振りかけて様子を見てみたかったです』
「なッ!お父様が・・・おしとやかに!?」
「やめなさい」
想像しかけるアメリをアンリが止め、2人で青ざめる。
「いいかい?アメリ、私はか弱く無防備な昨日までのお前でも・・・普段のお前でも・・変わらず愛しているよ」
「ピャ・・・お、お父様!?Aも居るのに突然、何を!!」
アンリの言葉にアメリが赤面して慌てる。
『元から甘言に弱いのか、後遺症なのかは・・・知らないですよ?』
「随分と娘に甘言を吐いていたそうじゃないか・・・洗脳の類ではないと思うが・・・タイプだったのかい?」
「お、お父様!?」
『んな訳ないでしょうッ!!』
「そんなハッキリ!!」
アンリをギロリと睨むA、アメリはショックを受ける。
「・・・では、イルマはどうだろうか?」
『知りません』
「か弱いアメリに、イルマは何もしなかったのかい?」
威圧的に、本題はコレと言わんばかりのアンリ。
アメリが慌てるが、Aは興味なさそうに席を立つ。
『同居してないですし、行動も最低限しか共にしてないのに・・・2人っきりの間にナニがあったかなんて知りません』
薄っすらと笑みを浮かべるA。
パリーンと眼鏡が粉砕し、アンリも立ち上がりAを引き止めるように手を伸ばす。
「な、何もありません!それよりもお怪我は?
Aもお父様を揶揄うなッ!!」
『訊かれた事に答えただけです。もう、私に依存しないでね・・・アメリ』
ヒラヒラと手を振るAに、アメリは最近の出来事を思い出しボフンと赤くなる。
「大丈夫か!?疲れて熱が出たんだろう」
フラリと倒れるアメリにアンリが慌てる。
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作者名:E | 作成日時:2024年1月28日 17時