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「ちょっと、酷じゃない?」

『充分でしょ?どれだけ私が我慢してきたと思ってるの?』

「でもさ・・・」

『だいたい、準備室(ここ)周辺で連日、張り込まれ強制的に苦行を強いられてたんだよ?
 逆らえば私の活動部屋の使用許可を取り消すとか脅してくるし・・・』

「最近は研究が捗ったよ・・・でも、学生らしくていいんじゃない?」

バラムの言葉にAが溜息を吐く。

『学生、ね・・・』



「シチロウ、アホは来てるか?」

「・・・うーん・・どんな用件?」

扉越しにバラムが時間を稼ぎ、Aは部屋の奥へと移動する。

「・・・来てるな?」

バラムの返事を待たずにズカズカとカルエゴが入る。

『失意のあまり休学・・・良い流れでしょう?』

「・・・そう、上手くいくと思うか?
 悪魔は欲しいモノがあれば、最後まで足掻くぞ?」

『気持ち悪いことを・・・』

ビシッと指をさされ、Aが嫌そうな表情をする。

「でも、よく我慢したね!本当偉かったと思うよ!!」

叱る担当のカルエゴが来た事で、バラムが素直にAを褒める。

『バビルスが崩壊しようと、私には何の関係もないし、むしろ喜ばしいと思ってる
 ”可愛い”が好きな悪魔達にとって、今のアメリは最高でしょうに・・・全くわからん』

「ねえ、本気で言ってる?」

Aの言葉に、珍しくバラムが冷たい声を出す。

『うん、皆嫌いで・・・好意を向けられると反吐が出る』

「う〜ん・・なら、親衛隊の居場所(活動部屋)を守ろうと頑張ったのはなんで?」

『そんな生徒達は知らない』

「へぇ〜」

「なんだ、鍵を返しに来てやったのに不要だったか?」

『・・・いくらでも複製できると思ったけど、結界張るって大人気ないでしょう?』

不意にカルエゴが鍵を見せ、Aは溜息を吐く。

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作者名:E | 作成日時:2024年1月28日 17時

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