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「おとーさまは悪いやつを捕まえてるの?」
「ああ、魔界の約束を破った悪魔を捕まえるんだ」
「カッコイイ!アメリも捕まえる!」
「そうか」
「でも、悪魔以外も捕まえたりするんだよ
例えば・・・人間とかね・・・」
「お父様、大丈夫ですか?」
「あ、ああ・・・」
幼少期の思い出に意識が飛んでいたアンリは、アメリの声で我に返る。
「確かにAは理事長の身内だと横柄に過ごしてますし、悪い噂も多いですが・・・私が正しき道を示したいのです!」
テレビ通話の画面越しに、力絶するアメリ。
可愛さに吐血しそうになるのを耐えるアンリ。
「しかし、彼女はサリバン様の身内というリスクもある訳で・・・」
「私だって、お父様の娘です!」
真っ直ぐなアメリの言葉に感動するアンリ。
「そうだな」
「それに、入間も・・・」
アンリが聞きたくないと席を立つ。
「すまない、会議の時間なんだ。バビルスへ行く用事があるからその時に」
強引に通話を切るアンリ。
「これは、内緒の話だがね、実は私は人間に会ったことがあるんだ」
彼の口から助けを求めてもらわねば、保護はできないのだから・・・
「えっ・・・にっ、人間って・・・もしかして・・・つっつつ捕まえたんですか?」
分かりやすく動揺までして、反応アリ!
「あぁ、捕まえて上半身は実験室へ、下半身は同僚とその日に鍋で・・・
と、いうのは冗談で・・・本当は”保護”して人間界へ帰したよ
正規の手続きをとって、人間界にすぐ戻れるように
魔界での記憶を全部消して、家に帰してあげたんだ
たまに亀裂が生じて迷い込む人間がいるから、ちゃんとした処置もあるんだよ
”元祖返り”が増加している魔界に、人間がいるのはとても危険だ
彼女のように帰りたいのに還れなくなってしまう被害者を出さない為にも・・・」
『会長!ちょっと、待ってくださ・・・』
「いや、なかなか会えないんだ、だからこそ!!」
突如響くAへ強引に迫るアメリの声に、アンリは血相を変えて現場へと走る。
「ダメだと言っただろう?」
「お父様!?でも、私は諦めてないと・・・待て、A!!」
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作者名:E | 作成日時:2024年1月24日 19時