欲深いのは悪魔か人間か １２

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「・・・他チームも気合い十分のようです！！
　おっと、中継魔がやっとAちゃんを補足し・・・」

『・・・おやすみ』

実況の言葉と共に盛り上がる会場。
スゥゥと映像が細まり、Aの声と共にブラックアウトする。

「ええええ！？・・・っと、故障でしょうか！？」

「・・・他は問題ないから、不調の中継魔だったのだろう」

放送師団長が動揺し、アメリが冷静に告げる。

「「「あの！今の！！最後の御言葉は録音できているのでしょうか！！？」」」

数人、数十人と生徒が放送師団長に詰め寄る。

「ああ、確かに良い夢が見れそ・・・ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ・・・理事長が最大権力を投資してでも復元なさる
　落ち着いて席に戻れ！理事長だぞ？ＰＶと同梱に決まっている！！」

「会長・・・」
「切実ですね」

活き活きと言い切るアメリを、ザガンとスモークが微笑ましく見守る。

「え〜Aちゃんの映像は途切れましたが、他の中継魔が必ずや補足してくれることでしょう！！
　さぁっ各チーム準備万端！！それではいよいよ開始の合図となります！！
　期待と好奇心を一身に浴びて！いざッ”心臓破り”スタート！！」

カァンと開始の鐘が鳴り終わる前に、心臓が破裂する音が響く。

「開始早々、若王シャックスチームの風船が１つ消滅！！！いかがですか会長！！」

「大人げない」

「ですよね！！あーっと、さらにここで新たな動きが！！」

私であっても、保守できたただろうか？
Aならば、入間ならば回避可能だっただろうか？
いや入間はともかくAは見殺しにしそうだな

あと１年遅く入学して同じクラスだったのなら、この遊戯に参加できたのにな・・・
あと２年遅く入学してたらAや入間のペアとして参加できただろうか？

ああ・・・羨ま・・・いや、何を・・・

アメリはスンとした表情で逃避しつつ、モニターを凝視する。

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