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「キリヲ様」

「トトくん・・・なんやえらい男前になったなあ・・・」

「恐縮です・・・やはり、私はナンパには不向きなようで・・・ヒューに頼めば良かった・・・」

「フフ・・・ご苦労さん」

「キリヲ様の方はいかがでした?探し物は見つかりましたか?」

「・・・いや、見つからんかった・・・けど・・・面白い事にAちゃんの師団室周辺は教職員が偉いぎょーさん警備しとってなぁ・・・魔具研行ったら後輩くんしか会われへんかったわ
 ・・・次は、ちゃんと持って帰って・・・もう一度僕の箱で大切に・・・」

「左様ですか・・・ならば大方の目的は果たしましたし
 長居は無用。バビルスの犬に嗅ぎつけられる前に・・・参りましょうか」

「この私をナンパした以上は・・・高くつくわよ?
 デルちゃんのおイスに近寄らないでちょうだい!」

ウエトトを嫌そうに手で払い、手土産の椅子を遠ざけるように高く持ち上げる。

「心得ております
 決して奪おうとしたのではなく、お持ちしようと提案しただけで・・・」

「トトくんがっつり嫌われとるんやなぁ〜」

「ナンパ下手くそですから・・・ひとまずはお話だけ
 なにを欲して・・・どこに立つのか・・・選択はご自由に」

「アンタも気持ち悪いから寄らないでちょーだい・・・Aに手ぇ出したら一番に心音止めるぞクソガキ」

「僕はただ・・・彼女の嫌悪する表情がたまらなく愛おしいだけなんです!
 あとは・・・絶望する表情を見て見たい
 せやから傷つけたりは致しま・・・」

「キリヲ様、本音だだ漏れです」

アムドゥスキアスが気持ち悪いと距離をとる。
ウエトトが冷や汗を流しキリヲに耳打ちをする。

「せやけど、僕とAちゃんは近いの口づけを交わした恋人なんよ?
 ちょーっと、僕の私用で気軽に会えへんだけで・・・ロミジュリなんよ!!」

「・・・フゥン?」

「あの時は手袋もせんと、僕の頬に触れてなぁ・・・」

うっとりと叩かれた頬を愛し気に触れるキリヲ。
アムドゥスキアスが、・・・同行について再考する。

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作者名:E | 作成日時:2024年2月25日 23時

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