欲深いのは悪魔か人間か１０ (ページ50)

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『取り敢えず長くなるだろうし、座りなさい』

レイヂとラズベリィが対面に座り、Aが空いてるスペースを叩き入間が頷く。
ゾクリとする殺気を感じる入間。

「・・・私こそが魔王になるべきだ」

魔海学園”レビアロン”・・・水中艦校
規律を重んじ品行方正な生徒の育成を第一とする
そんな格式高きレビアロン入学式にて
学長の孫が前代未聞の事態を引き起こしていた
寝坊により２時間の遅刻！！のち・・・

「うららかな波立つ日、海面より差し込む輝かしい光と共に我々新入生は・・・」

至って普通に挨拶を始める
もちろん教師たちは猛抗議！！だが・・・

「私は私の規律で行動している
　そして私の規律では、よく知らん生徒たちより自分の睡眠の方が大事だ」

その後も・・・独断規律・傍若無人な振る舞いに・・・

”勝手に砲撃手” ”門番殺し” ”ゲリラ彫刻家”

ついた渾名は数知れず・・・そして現在、皆は彼を司令と呼ぶ

「「つまりレイヂ様は・・・レビアロン生徒艦長、総司令なのです！！」」

『寝坊って・・・』

ＳＤが嬉しそうに言うが、Aは呆れる。

「睡眠は大事だからな・・・教師陣も寂しがっている・・・転校に必要な書類は用意した。ココにサインするだけだ」

『いや、転校はしないって・・・だいたいレヴィ様の我儘に振り回されただけだし・・・』

「快適な学園生活であっただろう？気分じゃなければ好きに帰れるぞ？」

ファイルに入れた書類を手渡すレイヂ。
引き下がらないので受け取ろうとした瞬間、邪魔するようにラズベリィが書類を抜きとる。

「・・・返せ、私は誰の言うことも聞かん
　これからの魔界の規律も私が創るべきだと判断した
　Aが過ごしやすい魔界にするまで、もう少し待て」

Aの頬に触れるレイヂ。
パシンと手を振り払うAにラズベリィが笑みを浮かべる。

「暴君ボーイの番は終わったんでしょ！はいはーい！じゃあ次は俺ね！！」

「黙れ海ムシ・・・言っておくがA以外その書類は無効だからな」

「誰も使わないよ～」

ラズベリィがヘラリと笑い、書類を燃やす。