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「なんですか?この地味な絵面かつ地味な献立は??」
『多分、入間の好物』
「は?」
『だから〜悪魔と人間は食生活も好みも違うんだって〜それとも実物を見た事ないオペラには作れないから言い訳??』
「言いましたね?このオペラに不可能な訳ないでしょう!!いいでしょう!!しかと見てなさい!!」
Aの前にお茶と菓子を用意しながらオペラがビシリと指を指す。
『味見だけはしてあげるよ』
「ええそうですね、お前が調理すると虚しい料理に早変わりですからね!!」
手早く調理しながらAへ文句を言うオペラ。
『そういえば入間にダンス教えるって口実でサリバンとダンスできたの?』
「誰かさんの所為で体調を崩されたばかりなので、今は安静にすることが優先です!!
・・・って、こんな材料はないですよ?」
『だよね〜代用品わかんなくて・・・サリバンに買ってこさせる?』
「おい、不正渡航を強請るな・・・絶対だぞ!」
Aの冗談を真に受けたオペラが凄む。
『最近さ・・・チェルーシルで”元の姿”として人間界へ渡航するのもアリかなと考えてて・・・』
「やめなさい・・・魔力が補充できないのに・・・今より残酷な目に遭いたいなら止めませんが・・・もう、コレでいいでしょう」
オペラが代用品を探しながら調理をすすめると、少しだけ懐かしい香りがする。
「・・・で、あとは何が足りない?」
味見用のスプーンを差し出すオペラ。
『オペラって有能なんだね』
Aが見直したと言い、撤回する。
『うわっ・・・まっず・・・』
「でしょうね、サリバン様に出すつもりないので」
『・・・まあ見た目はそれっぽいし、入間なら食べるでしょ』
「・・・作り直します」
流れるように廃棄するオペラ。
眉間に皺を寄せる姿から、味が不明で苦戦して強がっていると悟る。
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作者名:E | 作成日時:2024年2月25日 23時