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『・・・もう、充分でしょう？』
「え〜まだ６曲めが終わっただけだよ？」
「「「流石サリバン様・・・容赦ない・・・」」」
優雅な所作で踊り切ったAに、サリバンはもっとと駄々をこねる。
不憫そうに会場の大人が囁く。
「サリバン様・・・流石に休息をとるべきかと・・・お気持ちはよくわかりますが・・・」
アンリがサリバンに耳打ちをして、理解したように頷く。
「そっかそっか〜Aちゃんを誰にもとられたくなくて、我儘言っちゃった〜ごめんね〜」
ヒールだし、足疲れたよねと、Aを抱き上げながら小声でサリバンが言う。
「Aちゃんのお披露目終了！！はい、解散〜」
サリバンがAを肩にのせて手を叩く。
「サリバン様、孫自慢大会はよろしいのですか？」
「充分、叶ったからね〜」
オペラの問いにサリバンが頷く。
「おじいちゃんと姉さんのダンス凄かったです！！なんか、ぶわぁーって・・・」
入間が目を輝かせ、全力で表現するが言葉がみつからなかったようだ。
「少し入間と外の空気にあたって緊張が解けました」
「そ・・・そうか・・・」
忘れていた事実に衝撃を受け、動揺を隠すアンリ。
Aが愉しそうに笑みを浮かべており、内心で舌打ちをする。
「A、見事であったぞ！食事を取りに行こうと話していてな・・・」
アメリがAに声をかけ、入間が頷く。
「行っておいで・・・Aちゃんのアルバムは公開しないって約束するから！！ほらアンリくんに見張っててもらえば安心でしょ？」
「さ、サリバン様・・・私は・・・」
「Aゆくぞ！」
Aと入間の手を掴み嬉しそうに笑うアメリに、アンリは言葉をなくす。
「娘には弱いってよ〜くわかるよ〜」
「っく・・・Aがこんな場に馴染む日がくるなんて考えたこともありませんでした
つい最近まで悪態ばかりの娘が・・・令嬢へと成長だなんて快挙ですね！」
「・・・Aちゃんは渡さないよ？僕の孫娘だからね！」
「ﾊｯ・・・当然です！」
アンリは何故感情移入していたのかと我に返る。
嬉しそうに食事をとる娘達を目に焼きつけ、寄って来る貴族と会話を交わす。
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作者名：E | 作成日時：2024年2月25日 23時
