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「・・・では、アメリさん」

静かな庭園で、会場から聴こえる音楽に合わせ・・・

「イルマ・・・?」

「・・・ません

ギクシャクと不思議な動きをする入間にアメリが問いかけると、精一杯顔を反らし何やら小さく呟く。

「え?」

「踊れなくてッすみませんッ!!」

「ん!?おっ、おう!!」

勢いよくイルマが言い、アメリは動揺する。

「おっ、オペラさんに女性への挨拶はダンスへ誘うのが一番だって聞いて
 でも、よく考えたらダンス教わってなくて・・・
 アメリさんに恥をかかせるなんて絶対だめだし!って人けの無い方へと・・・強引に連れ出してしまって・・・すいません・・・」

「くっ・・・ふっ・・・フフそうか・・・フフフ・・・いや・・・イルマらしいな・・・」

慌てて言い訳を言いしおらしくなる入間にアメリは安堵したように笑う。

「姉さんが抜け出しても気づかれないからって背中押してくれたんですけど・・・次はちゃんと会場で踊れるように・・・姉さんにダンス教えてもらいます!!」

キリリと言う入間。

「ダメだ!・・・いや、せっかくだし、私が教えてやろう」

反射で否定したアメリが取り繕うように手を差し出す。

「はい!・・・あ!階段なら身長差・・・僕が上ですね」

えへへと嬉しそうに入間が階段に登る。
アメリはズキュンと胸を射貫かれ、暗くて良かったと安堵する。

「基本のステップは1・3・6だ・・・」

「はい!」

「そういえば、Aのファーストダンスも私だった」

「え!?そうなんですか!!いいな〜」

「・・・私とA、どちらを選ぶのだ?」

入間に意地悪をしたくなったアメリは素朴な疑問を口にする。

「ぅえっ!?えっと・・・ごめんなさい、さっき性別関係ないってわかったらアズくんとって考えてて・・・そうですよね・・・失敗してアメリさんに迷惑かけたくないですし・・・練習を・・・」

真剣に考える入間。

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作者名:E | 作成日時:2024年2月25日 23時

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