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『今後は、シチロウ・・・先生つけたほうがいい？』
「・・・好きに呼べばいいけど、寝転んじゃう？」
バラムの準備室に入り、ソファーでくつろぐAに呆れながら魔茶を煎れる。
『香水の調整をしてほしい』
「直球だね、どんな風に？」
『どうせつけるなら色んな香りがあった方がいいでしょ？
気分で変えたいし、色々創って』
「相変わらず雑な注文だよね」
『私が人間を食べたら、元に戻れるのかな？』
「それは、無理じゃないかな」
Aの嘘偽りない言葉に驚きながら、諭すようにバラムが答える。
「何か嫌なことでもあったの？」
『悪魔との共同生活』
「・・・ぶれないね」
『魔界での暮らしに順応しかける自分が一番疎ましい』
バラムに背を向ける。
「ごめんね。僕も調べてはいるんだけど、過去の文献にも手がかりなくて・・・」
『お人好しすぎるって言われない？』
気落ちするバラムに呆れたように、Aが起き上がり抱き着く。
「急に優しくされると反応に困る」
突然の行動に固まるバラム。
『知らない悪魔に囲まれて疲れた』
無防備にスヤスヤと眠るA。
「・・・悪魔酔いかな？」
Aを観察しながら、読みかけの文献を置いて頭を撫でる。
この世の全てが恨めしい
悪魔族全てが憎い
数年でこうも変わるのかと、感傷に浸っているとノックの音がしてガラリと扉が開けられる。
「やはり、ここに居たのです・・・か？」
「珍しいですよね、先輩」
バラムの膝で熟睡するAを不思議そうにみるオペラ。
「カルエゴ君に目をつけられて私に助けを求めて来ましたからね。
余程、疲れたのでしょう。騒がれると面倒なのでこのまま連れ帰ります。」
名残惜しそうなバラムから容赦なくAを奪うオペラ。
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作者名：E | 作成日時：2024年1月11日 21時
