検索窓
今日:33 hit、昨日:293 hit、合計:63,763 hit

ページ28

「魔界では人間ってご馳走なんだっけ・・・
 せめて、しっかりと味わって貰いたい・・・」

『サイドとか間食じゃなく、メインディッシュ的な?』

「うん、そうです・・・ね!?」

怪鳥の嘴につままれた入間が遠い目で呟き、怪鳥の背でくつろぐA。
不意に聞こえた声に、顔をあげた入間と視線が合う。

『これも立派な飛行でしょ?問題ないよ』

「え・・・そういう感じなんですか?」

平然としたAに、入間が唖然と問う。

「ギャース!!」

『え!?最低だな、まあいいや』

怪鳥が鳴き、Aが舌打ちして飛び降りる。
入間はベシャりと地面に落下した。

「いたた・・・」

『怖い無理って・・・ああ・・・』

鼻をさする入間が固まり、Aは溜息を吐く。

「ギィヤァアスッ!!」

大きな鳥が()への侵入者へ威嚇する。
立ち上がった身体がグラリと傾く。

『迷い込んだだけで、何もしないよ、ごめんね?』

Aが倒れないよう魔術で大きな鳥を浮かせる。

「ギャ!?」

自由を奪われ手足をバタバタと動かし抵抗する鳥。

「あ!ケガ!!」

地面に垂れる血に気づいた入間が鳥の足を指さす。

『だから、食べたり殺さないって・・・煩いなぁ、希望通りしめようか?』

Aと大きな鳥は口論?しているのか、入間の言葉は届かない。

「グルル・・・?」

『ん?』

大きな鳥とAが振り向くと、鋭利な石を拾った入間が徐に手を傷つける。
驚く1人と1羽に見守られ、ハンカチを裂いて傷ついた手に巻く。

「えっと、これをね・・・君に、やってあげたいだけなんだけど・・・だめ?」

入間が真剣に大きな鳥に問いかける。

『・・・だから、危害加えにきたんじゃないって言ったでしょ?』

Aが溜息を吐くと、傷ついた足を入間に差し出す。

「ありがとう!ちょっと待ってね、今・・・」

入間が嬉しそうに笑顔を浮かべ、偶然、鳥の傷口に入間の血がポタリと落ちる。
驚く速度で傷口が塞がる。

「治った!?」

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
86人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:E | 作成日時:2024年1月11日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。