欲深いのは悪魔か人間か１ (ページ1)

今日:290 hit、昨日:499 hit、合計:63,727 hit

・ページ1

いつも通りの帰り道

私は巨大な穴に落ちた・・・んだと思う。

落下の途中で意識は途切れ、次に目にしたのは不気味な研究室のような部屋だった
そこでの事は思い出したくないので割愛する
そこでの数年、数日、数時間だったのか・・・

色々あって逃走できた頃には、私は私でなくなっていた。
意味が分からない？
私が一番言いたい。
奴等と同じような羽根や角があるなんて反吐が出る。

「・・・んもう、Aちゃん！！吾輩の話ちゃんと聞いてる？？」

『・・・人間界に還りたい』

「知ってる。何回も聞いたけど、まずは元の姿に戻らなきゃ無理って言ってるでしょ？
　・・・やっぱり吾輩の話聞いてなかったでしょ？」

ギロリと睨むA。
気にする事無く、ニコニコと楽しそうに返すサリバン。

「ちょっと！燃やしたらメ！！」

サリバンから押しつけられたプレゼントの山を燃やそうとするAを慌てて止めるサリバン。

『オペラの主君から贈り物らしいよ』

「おや？珍しく気が利く事を言うじゃないですか」

呆れたように静観していたオペラが真顔で言うが、尻尾が楽しそうに揺れている。
サリバンが慌てたように、オペラメ！と制止する。

「何がそんなに不満なの？知らない場所で不安？？オペラは居ないけど、バラム君いるよ？吾輩も・・・」

「サリバン様、そんな繊細な餓鬼じゃないです」

『悪魔の巣窟になんて行きたくない』

心配そうなサリバンとは対称的に、オペラは冷めた目で遮る。
忌々しそうに制服を睨み、吐き捨てるA

「君をそんな姿に変えた悪魔に復讐したいんでしょう？
　まずは悪魔について学ばないと！
　わ・・・僕の学校だから、本当に辛かったり厭だったら理事長室へおいで」

Aと視線が合う様に大きな体を屈めて、優しくあやすように頭を撫でるサリバン。

「この私が鍛えてやったんです、胸を張りなさい」

『うげっ』

オペラから念子カスタムされた鞄を渡され、厭そうな表情と声を上げるA。

「ふふふ・・・可愛いですよね？行きたくなりましたよね？」

制服も念子カスタムにしようとするオペラから、慌てて制服を奪うA。

「Aちゃん・・・」
「サリバン様、良かったですね！」

サリバンが嬉し泣きをし、オペラが寄り添うよう。
Aは制服を抱えたまま舌打ちをする。