美しくなりたい全ての女の子へ 【ツイステ】

第12話 ページ14

その日の帰り道。

私は形が整い、ピカピカになった自分の爪を見てニンマリと笑みを浮かべていた。


『すごい、私の手じゃないみたい。』



手が変わるだけで、清潔感がぐんと上がった気がした。



『あ、そうだ。ハンドクリーム…』



鞄を漁って、昼に貰ったハンドクリームを手に塗ってみる。


すると、ふわりとホワイトローズの匂いが香る。



『いい匂いだ。』



みるみるうちに肌は潤った。

私好みなパッケージや匂い。

ルークさん、もしかして選んでくれたのかな、と考える。




『え、待って…？お世話になりすぎじゃない…？』




ふと不安がよぎる。

ルークさんにこんなに良くしてもらっているのに、私は何にも返せていない。



『(今度、お菓子でも持って行こうかな。)』




そんなことを考えているうちに、寮に到着した。


寮の中に入ると、これまたふんわりと甘いスイーツの匂いが漂う。



『あ…トレイ先輩かな…？』




トレイ先輩はハーツラビュルの副寮長であり、私が心を許す先輩の一人だ。

たまに手作りのお菓子を貰う。お店のより美味しいんだよね…。





キッチンの方を覗いてみると、そこにはやはりトレイ先輩の姿があった。

トレイ先輩はこちらに気づいて手を振る。



トレイ「A、おかえり。ちょっとおいで。」



手招きされるまま、トレイ先輩の元へ寄る。



トレイ「これ、味見してくれないか？」


そこには苺のタルトがあった。


『わぁ！美味しそう！良いんですか？』


トレイ「ああ。ほら、フォーク。」




タルトを一口頬張る。



『ん〜、やっぱり先輩の作るスイーツは最強です…！』


トレイ「はははっ、そんな顔してもらえて嬉しいよ。ありがとうな。」


『あ、そうだ。』


トレイ「ん、？」




『あの……先輩さえ良ければ、作り方、教えて貰えませんか？』


トレイ「おお、珍しいな。誰かに作るのか？」


『はい、ちょっとお礼したい人がいて…』


トレイ「なるほどな、良いぞ。じゃあ明日、休日だから一緒に作るか。」


『！、良いんですか！？』



優しすぎて面倒みのよすぎるトレイ先輩に感動しつつ、お菓子作りにわくわくする。



トレイ「ふはは、そんな目を輝かせなくても。

じゃあ、明日の午後集合な。」



トレイ先輩と約束を交わし、苺のタルトを作る事にした。

ルークさん、タルト好きだといいな。

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