俺のこと好きになっちゃった？《阿部

Girl…34 ページ34

阿部
『…明日、ここを出る』


『…うん』


阿部
『…覚悟はできてるよな？』


『…亮平がいてくれるなら、この家じゃなくていい…』



ここまで堕ちればもう怖いものはないもの。




阿部
『…今夜中に最低限の荷物を用意しといて。
俺も一度自分の部屋に戻る。』



『わかったっ…』




部屋を出ようとした彼の背中を見て
また得体の知れない不安を感じた。



『亮平…！』


阿部
『どうした？』


『…私は何があっても亮平の味方だから。』


阿部
『…っ』


『…一人で抱え込まないでね。』




…微かに彼が唇を噛みしめたように見えたけれど



阿部
『…俺の心配するなんてまだ早いんだよ。』



ｶﾞﾁｬｯ
ﾊﾞﾀﾝｯ…




『…執事のくせに。』





小さく呟いた後、
静かに準備を始める。



すると…



ｺﾝｺﾝｯ



『え…？』



窓を軽く叩く音がして

恐る恐るカーテンをゆっくり開けると




『康二…！！』



向井
『(あけて)』



口の動きでなんとなくわかって
よくわからないけれどひとまずその通りにした。


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