俺のこと好きになっちゃった？《阿部

Girl…15 ページ15

お母様
『そう。よかったわ。
…あの子、手のかかる子じゃないのに
次から次へと執事が辞めていくものだから心配してたの』




『……』




…その思い込みが間違いなのよ、お母様。




阿部
『…こちらは全く問題がございませんので
お嬢様のことは私にお任せ下さいませ。』



お母様
『ええ。頼むわね。』







彼がこちらに来るのがわかって
自分の部屋へ慌てて戻る。





少しして…



ｺﾝｺﾝｯ



『…はい』



阿部
『阿部です。入ってもよろしいですか？』



『…ええ』





ｶﾞﾁｬｯ

ﾊﾞﾀﾝｯ




『…どうしたの？』


阿部
『お嬢様がお辛い気持ちになられてるのではないか、と』



『私が？どうして？
お母様のことならわかってたこと。

今更驚きもないし、悲しくも…ないわ』




我ながら下手な嘘だと思う。


だけど嘘をつかなければ耐えられない。


自分であるために…必要な嘘。




阿部
『…お嬢様』


じわじわと距離を詰めてくる。

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