Make It Hot。《009》

Make It Hot…（1） ページ1

”おーい”


『…』



”呼んでんじゃん！！”


『…なんですか』





しつこいから俯いていた顔をあげれば

待っていたかのように

バケツいっぱいの汚れた水を全身にかけられる。





”まじくっさぁｗｗ”

”においがうつるから行こ”




…未だにこんなありがちないじめをしてくるんだと思う。


気に入らないから

なんかムカつくから


…その程度の理由で。





『…はぁ…もう疲れたなぁ』



こんな格好でもいっか…

どうせ放課後だし、
生徒もほとんどいないんだし。



ｶﾞﾁｬッ



『ひゃっ…！！』


阿部
『わ、、』



滅多にないのに
誰かとぶつかってしまった。



『…す、すみません』




そういって走り去ろうとしたはずが
動けなかった。

何故なら

濡れているその腕を掴まれてしまったから。




『…？』



阿部
『…誰にやられたの？』



『…』



少し冷静になってよく顔を見れば

生徒会長の阿部先輩だ。


阿部
『…一年生だよね。』


『…はい』




阿部
『もう一度聞くけど
…誰にこんなことされたのかな』



…言ったらチクったって言われて
悪化するのは想像の範囲。

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