もっと強く抱きしめたなら。《岩本

Story…21 ページ21

岩本
『わかるだろ？』


『……』



岩本
『A』



そんなの…



『…わかるわけないじゃない…！！』





人目を気にせずに心の底から叫んだ。



岩本
『…っ』



『…私のこと、何もわかってない。

照よりマシな人なんて…私にはわかんないっ！！』




こうなったら

まっすぐにぶつかる他にない。




きっと…伝わるはず。






『照…』



岩本
『……』



『…私を信じてくれないの？

…何がそんなに照を苦しめてるのか、
教えてくれないの？
私じゃだめ？』



…沈黙の時間が流れた後。





岩本
『俺…言わなきゃいけないことがある。』


『…うん』


岩本
『…聞いてくれる？

ちょっと長くなるけど』



『…聞かせて欲しい。』





ー岩本 Side


…まだ俺が中学生だった頃。


今みたいに毎日のように喧嘩ばっかりで

小さなことでもムカついてた。


その時…こんな俺に優しくしてくれた女ができて
もうこんなことやめようって
思ってたのに。…それは叶わなかったよ。

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