嫉妬の権利。《佐久間

Story…28 ページ28

『佐久間くん…』





…彼の名前を呟きながら、その場に座り込む。




どうしたらいいのか、わからなくなって

顔を伏せた…その時。







佐久間
『Aちゃんっ…！？』



『…！！』




近くでまた声が聞こえる。




佐久間
『いるなら返事して…！』




…せっかく逃げこんだのに。




でも、これ以上動けそうもない。





『…佐久間くんっ…！！』




泣きながらも力を振り絞って叫べば


すぐさま、走る音がして…






佐久間
『いた…っ…！』



『…っ。』




佐久間
『…大丈夫？どこか怪我とかしてない？』



『…(ｺｸｯ』




佐久間
『…じゃあ、一緒に出よっか。』





支えられながら、何とか立ち上がり


出口へと向かった。




その途中も怖くてたまらなかったけれど





佐久間
『あともう少しだよ…！』


『うん、、』





彼がはぐれないよう手を繋いでいてくれたおかげで…





佐久間
『うわっ、眩しいー。笑』


『…っ。』





…無事にゴールした私達。

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