嫉妬の権利。《佐久間

Story…27 ページ27

…どれ程の距離を走ったのだろう。




『…っ、、』



とにかく彼から離れなきゃ…そう思ったから。




冷静に辺りを見渡せば


先輩のクラスがやっているお化け屋敷の前。




”あっ、ちょっと！”




『は、はい？』



”今なら空いてるよ、どう？？”



『えっ…』




一人で、、？


しかも…私、怖いの苦手なのに…？




『いや、、あの…』



佐久間
『Aちゃーん？？』



『…！！』





私を探す彼の声と、姿も見えて




『…入ります…っ！！』



”どうぞどうぞ〜”





逃げるように入ったはいいものの


…案の定、怖くて進んでるのかわからないほどの遅さで歩き出す。





『…うぅ…』




やがて、怖さに加え泣きたくなってくる。



それは私が彼に抱いた嫉妬のこと。





『…大嫌い、、』




…自分のことが。





何の権利があって、嫉妬してるのか。





『…っ。』




”あぁー…”




『…きゃっ…！！』



突然現れたお化けに驚いた私は


とっさに走りだし


思ったより広く複雑なつくりで、また思うように足が動かなくなった。

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