堕落。《渡辺

Story…36 ページ36

ー自分 Side





『…お願い、康二。』


向井
『……。』




私の腕を後ろで拘束し、少し離れたところに座る康二。




『…離して？』


向井
『…離したらあいつんとこ、行くんやろ？

そんなん…許してたまるか。』


『…っ。』





しばらくその状態が続いた…その時。






ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ…



向井
『…！！』


『…！！』




康二は恐る恐るインターフォンを覗く。




向井
『え…？』


『どうしたの？』



向井
『…誰もおらん。』


『そんな…』



向井
『…ちょっと見てくるから、余計なことせんで。』


『…。』






そう言って、玄関の方へと歩いていった。




…けど



向井
『お前…っ…！』


『…？』




康二の叫び声と、中へと入ってくる大きな足音。



何が起きるかがわからなくて

思わず目を閉じるけど




渡辺
『…A。』


『しょう…た…？』



渡辺
『…やっぱりか。』




向井
『…っ…俺のAに触るな…！！』





拘束を解こうとした彼の手が止まる。



渡辺
『…こんなことしたって何の意味もないだろ。』


向井
『…うるさい、、！！』



『……。』

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