堕落。《渡辺

Story…26 ページ26

ー自分 Side




『…ねぇ。』


渡辺
『なに？』


『…私の家と真逆。』


渡辺
『そりゃそうだよ。

俺の家に向かってんだから。』




タイミングがいいのか悪いのか

信号が赤になって、車が止まる。




『私、まだ何も言ってないでしょ？』


渡辺
『……。』



『…無視？』


渡辺
『……。』





彼は一度も私を見ることをせず


再び青に変わって、そのまま走らせる。





『…はぁ。』



…結局、有無を言わせずに連れてこられて

仕方なく家の中へ入れば




渡辺
『お風呂、入ろ。』



『入ろって…まさか一緒に？』


渡辺
『嫌なの？』


『入る意味がわかんない…っ。』



渡辺
『…いいじゃん、もう裸見てんだし。』



そう言って、先にどんどん衣服を脱いでいく。

下着だけを残し


立ち尽くしている私のもとへ。




慣れた様子でグッと顔をギリギリ近づかせ…




『ちょっと…、』


渡辺
『…なにしてんの。』


『は…？』


渡辺
『てか…

…脱げよ、早く。』

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