Your WURLITZER…《岩本

Story…15 ページ15

岩本
『別にいいよ、そんなの気にしなくて。』



阿部
『Aさんもありがとう。』


『…いえっ。』



岩本
『…A、先下行ってて。』


『え？あぁ…わかった。』






二人だけの話でもあるのかと察して

私は、一足先に病室を出た。






ー岩本 Side


彼女の足音が遠ざかっていくのがわかる。




阿部
『…良い子そうだね、Aちゃん。』


岩本
『…っ。』


阿部
『…ちょっとからかっただけで、顔真っ赤にしてたなぁ。』


岩本
『…何言った？』




思わず反応し、振り返れば


阿部
『…教えないって言ったら？』



岩本
『阿部…』




…阿部の目は、俺に対して酷く怒りを感じるもので。



阿部
『早く行ってあげなよ。

待たせたら可哀想だから。』



岩本
『…じゃあ、また来る。』



阿部
『照…！！』



岩本
『…？』




阿部
『…俺だって幸せになる権利、あるよね？』


岩本
『…！！』



…俺は、その問いに



岩本
『…もちろん。』



そう答えて、病室から離れた。



阿部
『……。』

Story…16→←Story…14

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す