縁 -a quirk of fate- 《目黒 (ページ19)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:164,857 hit

Story…19 ページ19

目黒
『それとも…誰か待っている人いるの？』

『…！！』

一瞬動揺したのを、彼はちゃんと見逃さなかった。

目黒
『…そうなんだ。』

弱まっていく力に

何故か私の中で焦りを感じ

目黒
『…っ。』

離れかけたその手を自分の手でおさえる。

『…送ってくれるなら、まだ大丈夫。』

目黒
『A…』

『でも…嫌だと思ったなら、帰る。』

目黒
『…嫌なんていうわけないじゃん。』

『……。』

…この時、確かに運命の歯車が狂い出すのを感じた。

ーーーーーーーーーーー

ー宮舘 Side

自分の中に、こんな一面が隠れていたことに

驚きを隠せない。

Aを失うのではないか。

…そのことに怯えている。

宮舘
『……。』

スマホの画面を見つめていると

彼女からのメッセージ。

A涼太、本当にごめん。

A日付変わる前には帰ると思う。家まで送ってくれるって。

宮舘
『…っ。』

涼太わかったよ。気をつけて帰ってきてね。

彼女は知らない。

…文字を打つ俺の手は震え、悪い予感に襲われ

涙を堪えている姿を。

そして、何故か…この感覚を前から知っているようだった。