虹。《深澤

Story…19 ページ20

『深澤くんも…泣いていいんだよ。』



深澤
『…っ』





ー深澤 Side


彼女の一言が

俺の心をそっと包み込んでくれるようで


…気づけば、頰を一雫流れ落ちていく。






『深澤くん…？』




深澤
『…はは、見られちゃった。

…他の人には内緒ね。』




いつもの癖で慌てて笑って見せたけど


彼女の顔を見たら同じように泣いていた。




深澤
『どうして…Aちゃんまで泣いてるの？』



『ごめん…っ、、』



深澤
『…っ。』





…今すぐ抱きしめたいのに、

ベットの上で身動きが取れない自分に腹が立ってくる。




深澤
『…Aちゃん、悪いんだけど近くに来てくれるかな？』


『え…あ、うん。』





深澤
『嫌なら…突き飛ばしてくれてもいいから。』



『突き飛ばすって…』





ｷﾞｭｯ…





深澤
『…ありがとう、Aちゃん。』


『…っ』






ー自分 Side


…ただ彼に抱きしめられたまま。


少しして泣いているのがわかって

私からもそっと腕を回す。





深澤
『もう少しだけ…このままでいい…っ？』


『…うん。』



深澤
『…っ、、』

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