もっと強く抱きしめたなら。＿Season 2＿

Story…21 ページ21

ー岩本 Side




阿部
『岩本…！』



岩本
『阿部ちゃん？』



阿部
『…ちょっといい？』




近くの使われてない部屋に二人で入る。






阿部
『佐久間のことなんだけど。』


岩本
『…なに？』



阿部
『…本人は相手に絡まれて、つい自分もやってしまったって言ってるけど
実際は違うんじゃないかって。』






そう言って、阿部ちゃんのスマホの画面に動画が流れた。



岩本
『…！！』




…確かにそこには佐久間がいて

目に正気はなく、狂ったように暴れている様子が映っている。





阿部
『岩本…何か知らない？

昔のこととか、佐久間がどんな人間なのか。

岩本の思うままでいいから…！』



岩本
『…佐久間は、いつも明るくてうるさいぐらい元気で。』






(回想)



佐久間
『おはようでやんす〜』


岩本
『なにそれ。』


佐久間
『なにそれとか言わないの〜！！』





一人ぼっちになってる奴がいたら、積極的に声かけてたり



佐久間
『…なぁ、一緒に移動しようぜ。』




あいつの周りにいれば

みんなが笑うような…そんな空間だったよ。




…ただ、佐久間は一つ大きな問題があって。





キレたら周りの誰も手が付けられないってこと。



その度に…



岩本
『おい…！やめとけって…！』



佐久間
『…！！』



俺がいるときは必死に止めてたけど

…多分、自分じゃコントロールできないんだと思う。





(今)



阿部
『そうだったのか…』



岩本
『…悪い奴じゃないよ、あいつは。

でも、心の隙間がずっと埋まらないままで
どうしたらいいのか

…わかんねぇのかも。』

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