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Story…14 ページ14
『…楽しいです、すっごく。』
渡辺
『嫌な思い出、消えそう？』
『あ…』
…そうだった。
きっと
相手はとっくに忘れてるだろうに
馬鹿みたいに一人未だ引きずっていたんだ。
『…大したことじゃないのに
なんでいつまでも消えてくれないんですかね、、笑』
少しでも空気を重くさせまいと
笑ったけれど
そう簡単には誤魔化せないもの。
渡辺
『…強がっちゃうのが癖なんだな、Aちゃんは。』
『先輩…』
渡辺
『その気持ち…俺もわかるんだよね。
弱音とか吐けなくて。
…気づいたらボロボロでさ。
周りにもっと早く言えよってたくさん言われたし。』
『そうだったんですか…？』
渡辺
『だから…すべては無理でも
Aちゃんの苦しい気持ち、
俺は理解できる。
大丈夫だから。』
”大丈夫”
…その一言が
私の中にあった溢れないための
涙のストッパーを
渡辺
『Aちゃん…』
…外した。
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作者名：杣クリーム
| 作成日時：2021年2月12日 0時
