Prisoner…《阿部

Story…30 ページ30

『…阿部くん。』


阿部
『…ん？』


『…すごく辛かったんだって思った。

どうして阿部くんがそんな目にあわなきゃいけなかったんだろうって。

…でも、私は阿部くんが望むようなことはできないの。』



阿部
『…っ』





…はっきり伝えることを私は選んだ。


誤魔化して嘘をつくなんて

そんなことをしたら、また彼が傷を負うことになる。




泣き叫ぶことでもなく

全てを否定するのではなく


真っ直ぐ向き合うしかない…。






『阿部くんのこと…

友人として支えたいって思ってる。

迷惑じゃなければ。』



阿部
『……。』



『…納得できない？』






優しく問いかければ…





阿部
『…愛されてみたかったな、Aさんに。』


そう言うと、家の鍵をあけた。



阿部
『…いいよ、出て。』


『え？』



阿部
『今頃きっと…彼氏さんが血眼になって探してるだろうし。

送ってあげたいところだけど
…一人にさせて欲しいから。


この場所、さっき彼氏さんの携帯におくっておいたから

心配しないで？』

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