甘えんぼ。

Story…（8）ー長男・辰哉の場合ー ページ8

『………』




お兄ちゃんたちのことは

確かに好きっちゃ好きだけど



『ブラコンて…』




学校の帰り道。


いつもより遅くなってしまって

ふとお兄ちゃんがバイトしてる店の中をのぞく。




『あ、いた。』




辰哉
『ありがとうございました！！』



得意の笑顔で接客していた。



『……』



女性
『明日は何時頃ならいますかぁ？』



辰哉
『あ〜明日なら今日より1時間ぐらい遅いですかね』


女性
『また来ます！』





…お客さんの語尾にはハートが見える。



『…あれがいわゆるリアコな男。』





辰哉
『お待ちしてますね！！(ﾆｺｯ』




『…。っ』




バイト仲間
『あれって妹さんじゃない？』



辰哉
『え？』




『…バレたっ』




慌てて逃げ出す。



辰哉
『A！！待てって！！』


『…無理！！』


辰哉
『いいから！！止まってよ！！』




足の速さに敵わず、あっさり確保。




辰哉
『なんで…逃げるのよ……はぁ…』



『…はぁ…わかんない…』




辰哉
『…Aに…こういうことされたら…

結構ガチでへこむからさ…』



『……』




辰哉
『…俺はAが誰よりも大切なんだからな？』

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