Story…(5) ページ5
料理がくるまで
懐かしい思い出話。
…でもふと指を見て気づいた。
『結婚…してるの?』
渡辺
『…まぁな。
…でも望んでしたわけじゃない。
…親同士が決めたんだよ。』
『…そうなんだ』
彼の顔は明らかに曇っていて
幸せだという雰囲気は感じられなかった。
渡辺
『…俺のことより、そっちは?
プライベートはどうなの?』
『私は特になにもないよ。』
渡辺
『彼氏とかいないんだ?』
『…ストレートに聞くね。』
そういうと焦りだすから
おかしくて笑ってしまう。
渡辺
『ビビるからやめて。笑』
『ごめん。笑』
少しの間が流れる。
渡辺
『…あのさ』
『うん』
渡辺
『…一個だけ昔聞きたかったことあるんだけど』
真剣な顔つきに変わって
渡辺
『…俺のこと、どう思ってた?』
『どうって…それは…』
渡辺
『…友達として好きだったとかじゃなくて』
『…っ』
なんで…今聞くんだろう。
…これがお互いフリーで
他の誰かの存在がよぎらない
楽しいだけの再会なら
笑って話せただろう。
”好きだった”と。
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作者名:杣クリーム | 作成日時:2021年1月10日 0時