Marionette《目黒

Story…30 ページ30

(今)


目黒
『一度だけ…言われたことがある』




(回想)

松村
『蓮』

目黒
『なに？』



松村
『…お前はどうして自分らしくいられるんだ。

金持ちの家に生まれても性格が曲がることなく
真っ直ぐ育って、言わなくても周りから信頼されて。』



目黒
『北斗…？』


松村
『…なんでもない、忘れろ』




(今)


目黒
『…気づいてたのに俺は深く入ろうとしなかったんだ』


『そうだったんだね…』


目黒
『もっと…話すべきだったよ、兄さんと弟としてっ』





手術室のランプが消え

中からお医者さんが出てくるも
蓮は動かない。



代わりに私が駆け寄ると…



医者
『…残念ですが』


『…っ』



告げられた内容に
私も涙が止まらなくて
その場から動けなかった。


目黒
『……

…うわああああ！！！！！！！！！泣』






蓮の心からの嘆きは夜の病院中に響き渡り

大切な人を失った悲しみは
とても冷静でいられるようなことではない。


目黒
『…兄さん…っ』

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