HEAVEN

Heaven・・（4） ページ4

『…親と喧嘩して、家を飛び出してきて』


渡辺
『そっか。
どうして喧嘩しちゃったの？』


『…私、妹がいるんです。親は…特にお母さんは妹が可愛くて。
妹のためにって全部やってあげたりして。

でも、私には厳しくて褒めてなんてくれない。

今日も妹には良いって言って
私はダメ。…家に居場所がないんです。
それでも今の自分には他に頼れる人もいなくて…』




話してるうちに
気づいたら涙が頬をつたっていた。




『あ…』



渡辺
『泣いてるね』


そっと差し出された青いハンカチ。



渡辺
『…使って？
大丈夫だよ。俺、見てないし。好きなだけ我慢しないで。』




『…っ、ありがとうございます…』





その間
彼はただ黙ってそばにいてくれた。

目を閉じたままで。





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しばらくして



『…落ち着きました』


渡辺
『本当？良かった』


『すみません。なんか。
付き合わせてしまって…』


渡辺
『謝らなくていいのに。
俺は嬉しかったから』




空を見上げるように顔をあげながら


渡辺
『…あーひとりじゃないんだって思わせてくれたから。
俺も最近またちょっと気分が落ち込んでたところなんだ。笑

だから、Aちゃんと話せて嬉しいんだ。…すっげえ。笑」



最後の言い方に彼の素が見えたようでドキッとした。

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