49 ページ49
・
あれから数日間、ずっとどうしたらいいのかわからずにいた
翔太と話そう
そう思い授業を抜け出して屋上へ向かった
屋上に行けば、会える気がした
予想通り、日陰のベンチで眠っている
吹き抜ける風が翔太の柔らかい前髪を撫でる
「しょーた」
渡辺「ん…」
声をかけても寝ぼけているので、頭を軽くペシっと叩くと眠そうに瞼を開ける
渡辺「A…？」
「うん」
渡辺「……え、Aじゃん」
「そうって言ってるじゃん」
渡辺「なんでいんだよ」
「翔太いるかなって」
渡辺「俺に会いに来たってこと？」
「うん、まぁそうだね」
起き上がった翔太の隣にできたスペースに腰をかける
渡辺「俺がいつも屋上でサボってるみたいじゃん」
「そうでしょ？」
渡辺「違うし、たまたまだし。なに？なんかあったの？」
「…今日、一緒に帰ろ」
渡辺「え！Aから誘ってくるなんて珍しい」
「たまには、ね」
渡辺「あーでもわりぃ。今日は予定あんだわ」
「そっか」
渡辺「話したいことでもあった？」
「そんな大したことじゃないの。だからまた今度でいいや」
今話せばいいのに、勇気が出なかった
話したいことがあるから一緒に帰ろうと言えば、決意が固まると思った
どうして蓮と付き合ってほしくないの？
翔太は私のことどう思ってるの？
聞きたいことはたくさんある
渡辺「今日バイト？」
「ううん、休み」
渡辺「じゃあ用事終わったらAの家行くわ」
「え…？」
渡辺「大したことだろ、Aから一緒に帰ろうって誘ってくるなんて」
「そう身構えられると、なんか恥ずかしいけど…」
渡辺「なんでだよ。そのかわり、もーちょい寝かせて」
翔太はあくびをすると、私の膝の上に寝転んでくる
「ちょっと、重たい」
渡辺「お前が後から座ってきたんだろーが」
「そうだけど…」
こんな膝枕なんて、なんとも思ってない人にするの…？
私の膝の上で気持ちよさそうに目を閉じる翔太を見ながら、屋上を流れるゆっくりとした時間に思いを馳せた
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 927人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あいな - 返信ありがとうございます。タイトルには[青]表記があった為読み始めたのですが、どっちが主役かわからないような出演頻度なのでちょっと悲しさもありますがお話が展開して幸せな気分になれることを期待してます。 (7月24日 1時) (
レス) id: 000a6ded84 (このIDを非表示/違反報告)
mame(プロフ) - あいなさん» キュンキュンできる展開、たくさん考えています🫶🏻渡辺くんはいざというときに男を出してくれる…はずです！ (7月19日 23時) (レス) @page44 id: 31de006ddb (このIDを非表示/違反報告)
あいな - 私も気持ちわかります！どのお話も1回は別の人と結ばれたりするんですよね〜キュンキュンできる展開見たいですよね。渡辺くん男出せ〜〜 (7月19日 17時) (レス) id: 000a6ded84 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - がっかりしないようにほどほどに期待しときます。 (7月19日 0時) (レス) @page42 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
mame(プロフ) - るなさん» 翔太くんがどうなるのか、楽しみにしていてください☺️ (7月18日 9時) (レス) id: 31de006ddb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mame | 作成日時：2023年7月3日 20時
