春を消してしまえば【青】

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夏休みももう終わり、まだ暑い日が続いているというのに制服を着て学校へ向かう









「おはよ〜」


ラウ「おはよ！さっきまでめめいたんだよ」


「蓮？なんで？」


ラウ「今日バイト一緒に行こ〜って！」








今日は蓮とシフトが一緒の日

教室に着くのがギリギリすぎて、蓮は自分の教室に戻ってしまったみたい

授業が終わるとすぐに蓮が教室に来た









目黒「学校終わってからバイトまでちょっと時間あるじゃん、だからどっか行こ」


「うん、いいよ」


目黒「っしゃ！終わったら迎え来るね」


「わかった」









要点だけ伝えると、ヒラヒラと手を振って戻って行く

どっか行こうって、どこへ行くんだろう









目黒「A！」









帰りのホームルームが終わるとすぐに蓮がやってきた









「帰ろっか」


目黒「腹減ったからさ、ハンバーガー食べない？近くに新しくできたんだって」


「食べたい」









久しぶりの授業で疲れた体はジャンクフードを求めていた

ハンバーグという言葉を聞くだけでお腹が空いてくる









向井「めめ！顧問が呼んでるで」


目黒「え…なんで？」


向井「わからんけど、目黒呼んできて〜って」


目黒「今日じゃなきゃだめなの？」


「いいよ、私待ってるから」


目黒「…ごめん、すぐ戻るから」


向井「デートの邪魔してごめんな〜。蓮借りるな」


「デートじゃ…ない……んだけど」









そう言い終わる前にふたりはぶつぶつと文句を言いながら去ってしまった

歩いていた廊下を再び戻り教室に座る


夏の大きな入道雲には、夕陽がよく映える

久しぶりに早く起きて1日フル稼働した頭は、静かな教室で眠気を誘う

お気に入りの音楽を聴きながら机に伏せると、いつの間にか眠ってしまっていた









目黒「A…？」









優しい声が聞こえてハッとすると、目の前に蓮の顔があった










「ごめん…寝ちゃってた」


目黒「うん、気持ちよさそうに寝てた」


「恥ずかしい…」


目黒「何聞いてたの？」


「あ…昔好きだったピアノの曲。聞いてると落ち着くの」


目黒「ピアノ弾けるの？」


「昔はね。今はもう弾かない」


目黒「なんで？」


「なんでって…いろいろと思い出しちゃうの」


目黒「……弾いて、聞きたい」





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