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震える手と苦しい呼吸を落ち着かせようとするけど、全然落ち着いてくれない
むしろ落ち着こうと思うほど落ち着けない自分にパニックになっていく
どうしよう、バス降りたい…
そんなことを考えていると、ぎゅっと握っている手を上から優しい手が包んだ
隣を見ると翔太が心配そうな目で見つめている
渡辺「大丈夫、俺がいるから」
私にしか聞こえない小さな声でそう言う翔太に、すごく安心した
手に感じる翔太の温もりは、パニックになりかけた心をじわじわと溶かしていく
私はいつまで過去に囚われているんだろう
その不甲斐なさに涙が一粒溢れた
バスを降りても翔太はずっと寄り添ってくれる
深澤「どした？なんか顔色悪いよ」
渡辺「こいつバス酔いしたって」
岩本「大丈夫？」
「うん、全然。大丈夫だよ」
渡辺「先行ってて、こいつに飲み物買ってくるわ」
顔色が悪いことを、バス酔いのせいにしてくれた
心が弱っているのか、いつも以上に翔太の優しさが心に染みる
人気のない場所まで連れてきてくれて、私を椅子に座らせる
渡辺「思い…出しちゃったよな」
黙って頷くと優しく頭に手を置く
渡辺「ごめん、俺なんて励ましたらいいのかわかんない」
「ううん、こっちこそごめん…」
渡辺「Aが謝ることじゃないでしょ」
「……試合始まっちゃうよね、行こう」
私が立ちあがると、翔太が腕を掴んで抱き寄せる
渡辺「試合よりAの方が大事。お前が落ち着くまで一緒にいるから」
大事、なんていつもは言わないくせに
こういうときだけ言ってくるなんてずるい
翔太の背中に腕を回して、ぎゅっと優しさを噛み締めた
「翔太、ありがとう。もう大丈夫」
渡辺「ほんとに？無理してない？」
「うん」
翔太の腕の中から離れて微笑む
今日は大切な試合だから、これ以上翔太に甘えるわけにはいかない
渡辺「なんかあったらすぐ言えよ」
「もう、試合なんだから自分の心配して」
渡辺「かわいくねーやつ、行こ」
私の頭をくしゃくしゃと撫でて試合会場へ向かった
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あいな - 返信ありがとうございます。タイトルには[青]表記があった為読み始めたのですが、どっちが主役かわからないような出演頻度なのでちょっと悲しさもありますがお話が展開して幸せな気分になれることを期待してます。 (7月24日 1時) (
レス) id: 000a6ded84 (このIDを非表示/違反報告)
mame(プロフ) - あいなさん» キュンキュンできる展開、たくさん考えています🫶🏻渡辺くんはいざというときに男を出してくれる…はずです！ (7月19日 23時) (レス) @page44 id: 31de006ddb (このIDを非表示/違反報告)
あいな - 私も気持ちわかります！どのお話も1回は別の人と結ばれたりするんですよね〜キュンキュンできる展開見たいですよね。渡辺くん男出せ〜〜 (7月19日 17時) (レス) id: 000a6ded84 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - がっかりしないようにほどほどに期待しときます。 (7月19日 0時) (レス) @page42 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
mame(プロフ) - るなさん» 翔太くんがどうなるのか、楽しみにしていてください☺️ (7月18日 9時) (レス) id: 31de006ddb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mame | 作成日時：2023年7月3日 20時
