春を消してしまえば【青】

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部室から荷物を取り、蓮と歩く帰り道

夏の爽やかな風がふたりの間を通り抜ける










「いつも騒がしくてごめんね」


目黒「ううん、Aのことみんな大切に思ってるのが伝わる」


「おせっかいなだけだよ」


目黒「明日の試合大丈夫？もしあの先輩来てたら…」


「もう大丈夫。明日はひとりにならないようにするし、髪の毛切られたんだよ？これ以上酷いことそうそうないよ」


目黒「そうかもしれないけど…俺も行く」


「明日バイトでしょ、シフト知ってるんだから」


目黒「康二に変わってもらう」


「いいの、本当に大丈夫だから」









お節介な人が、もうひとり増えたかもしれない

蓮はパパとママみたいな、温かくて優しい人だ









目黒「なんかあったらすぐに言うんだよ？」


「はい、わかりました」









そう言うとくしゃっと笑って大きな手で私の髪を撫でる









「蓮、本当にありがとう」


目黒「ん、じゃあまたね。明日がんばって」


「うん」









帰っていく蓮の背中を見つめ、家に入る









「ただいま」


宮舘「おかえり」









玄関には見慣れた靴がある

翔太だ

明日は試合なんだから、大人しく帰って早く寝たほうがいいのに

自分の部屋で部屋着に着替え、リビングへ向かう









宮舘「髪の毛…似合ってるね」


「そう？ありがとう」









お兄ちゃんは一瞬驚いた顔をしたけど、すぐにいつもの優しい顔で褒めてくれた

翔太はソファに座りながらスマホをいじっている









「何で翔太がいるの」


渡辺「悪いかよ」


「明日試合なんだから早く帰って寝たほうがいいよ」


渡辺「……こんなんで寝れるかよ」


「なに？」


渡辺「あー、もう！ご飯食べ終わったら散歩付き合え」


「散歩？暑いのに？」


渡辺「暑くたっていいだろ」


「何、急に。暑いからやだよ」


宮舘「翔太、俺ご飯食べ終わったらすぐ課題やりたいんだよね。Aとふたりで片付けしてもらってもいい？」


渡辺「……おう、わかった」


宮舘「よし、じゃあご飯食べよ」









急に散歩に行こうと言う翔太も、課題をやりたいと言うお兄ちゃんも、みんな様子がおかしい

不思議に思いながらも空腹には負けられず、3人でご飯を食べた





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