春を消してしまえば【青】

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「「入学おめでとう！！」」




お兄ちゃんの料理に、みんなでジュースを掲げて乾杯をした









渡辺「うわっ！うめえ」


深澤「舘さんの料理最高！」


宮舘「ありがとう、作り甲斐あるよ」









お兄ちゃんの料理は世界一美味しい

家ではほとんどお兄ちゃんがご飯を作ってくれる









岩本「友達できた？」


「1日じゃできないよ、別に友達なんていらないし」


佐久間「そんなこと言わないでさ〜！」









友達を作りに学校に行くわけじゃないし、めんどくさいことは嫌いだ

だけどお兄ちゃんは心配そうな顔をしている









「あ、でも後ろの席の子と話した」


阿部「お、仲良くなれそう？」


「…うん、なれそう」


深澤「かわいい子？」


「男の子だよ」


渡辺「は？誰そいつ」


「たまたま後ろの席だったから話しただけ」


深澤「なんだー、かわいい子だったら紹介してよね！」


「やだよ」









お兄ちゃんに心配かけない程度に、ただやり過ごせばいい

私にとってそれだけの学校生活


ご飯を食べ終わるとゲームをして、夜遅くなるとみんなは帰って行った

お風呂に入ってさっぱりした後、仏壇に手を合わせる









「パパ、ママ、みんなが入学お祝いしてくれたよ。うるさかったでしょ？学校でも騒がしいんだよ」









写真の中で優しく笑ってるパパとママ

この笑顔を壊したのは……私だ










宮舘「A」


「……お兄ちゃん」


宮舘「学校どうだった？」


「まだ1日目だからよくわかんないけど、舞白いるし。お兄ちゃんたちもいるし、きっと楽しいよね」


宮舘「Aのしたいようにしていいんだからね。高校生活は3年間しかないんだから」


「うん、ありがとう」


宮舘「じゃ、俺は自分の部屋行くね」


「おやすみ」


宮舘「おやすみ」









やりたいことを我慢しているわけでもない

やりたいことがないだけ

何にも興味を惹かれない

私の時間は、あの日から止まったままなんだ





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